Q 刑事事件で、証人が「覚えていない。」と供述するときに、証拠を示す手順を教えて下さい。
2026/06/19 更新
記憶喚起のための書面の提示
(1)証人の記憶が明らかでない事項ついて、記憶を喚起するために書面等を提示するには裁判所の許可が必要です’(刑事訴訟法規則199条の11の1項)。
(2)なお、提示する書面等について、事前に検察官に示していることが必要です(刑事訴訟法規則199条の10の2項)。
| 刑事訴訟法第199条の11 記憶喚起のための書面等の提示 1項 訴訟関係人は、証人の記憶が明らかでない事項についてその記憶を喚起するため必要があるときは、裁判長の許可を受けて、書面(供述を録取した書面を除く。)又は物を示して尋問することができる。 2項 前項の規定による尋問については、書面の内容が証人の供述に不当な影響を及ぼすことのないように注意しなければならない。 3項 第1項の場合には、前条第2項の規定を準用する。 |
実際の尋問の様子
弁護人
Aさんの給与はいくらですか。
証人
10万円なのか、15万円なのか覚えていません。
| ※ 突然、書面等を提示することは許されません。 何度か聞き直す等して、できるだけ証言から聞き直すように努めなければならない。 |
弁護人
Aさんは、給与額について記憶が明らかでないと証言しています。その記憶を喚起する必要がありますので、弁3号証の給与明細を示して尋問させて頂いてもよいですか。
なお、弁3号証の給与明細は、事前に検察官に示させて頂いた書面となります。
裁判官
許可します。
弁護人
弁3号証の給与明細を示します。
これは、Aさんの給与明細ですか。
証人
はい。
弁護人
なぜ、Aさんの給与明細だと分かるのですか。
| (1)証拠を提示したときには、その証拠が何なのか、分かるかという質問をすることが必要になります。 (2)証人がその証拠を見て、その証拠を理解できているか、確かめる必要があります。 |
証人
××です。
弁護人
(弁3号証の給与明細を証人に見えないようにして)当時のAさんの給与額が分かりますか。
証人
約17万円です。






