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刑事弁護の流れ

Q 証拠意見について、留保するのはどのような場合ですか。

2026/04/25 更新

証拠意見の留保

(1)同意する場合には「同意する。」と書けばよいです。

(2)以下のように、記載してこれらの証拠は、弁護人が事案を把握してから証拠意見を決めるという意味です。

1 甲号証
 甲1から甲6は同意。
 甲7は不同意。
 甲8は留保。

第一段の証拠意見

(1)検察官が証拠請求をしてきます。

(2)弁護人は、客観証拠だけを同意をする場合があります。そのような証拠意見は以下のようになります。

 1 甲号証
 甲(実況見分調書の客観証拠)は同意。
 甲(ビデオカメラ等の客観証拠)は同意。
 甲(被害者の供述調書)は留保。

 2 乙号証
 乙(被告人の供述調書)は同意。ただし、信用性は争う。

(3)客観的証拠は伝聞性が問題にならないので同意します。

(4)供述証拠については、弁護人が事案を把握してから証拠意見を決めるという意味で、留保となりました。

被告人の供述調書

(1)被告人の取調べ調書のうち「被告人に不利益な事実の承認を内容とするもの」について、刑事訴訟法322条により、任意性を争わない限りは証拠とすることができる、とされています。
 刑事訴訟法は、「被告人に不利益な事実の承認を内容とするもの」であるときと限定していますが、弁護人として不同意にしたいのは正にこの部分です。現実的には、刑事訴訟法は、弁護人が任意性を争わない限り、被告人調書について、証拠能力を認めています。
(2)つまり、刑事訴訟法では、任意性に疑いがない限り、被告人を取り調べた調書については、証拠とすることを認めているようなものです。
(3)これについては、被告人は、法廷にて弁解も含めて、自分の意見を述べることができるから、と説明されています。

刑事訴訟法 第322条 
1項 被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第319条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。
2項 被告人の公判準備又は公判期日における供述を録取した書面は、その供述が任意にされたものであると認めるときに限り、これを証拠とすることができる

被告人の供述調書と証拠意見

(1)任意性を争うとは、弁護士人が「取調べが違法な取り調べがあった可能性」を立証することです。

(2)しかし、弁護人として、上記の事情がない場合には、被告人の供述調書について同意して、「ただし信用性を争う。」という証拠意見を述べることになります。

2 乙号証
 乙(被告人の供述調書)は同意。ただし、信用性は争う。

証拠意見のサンプル

令和7年(わ)第〇〇〇号 〇〇被告事件
被告人 〇〇
 
                      証拠意見(1)
 
                                      令和7年10月31日
大阪地方裁判所 第〇刑事部 御中

                                      弁護士 井上正人
 
上記被告人の上記被告事件について、弁護人は以下、証拠意見を述べる。
 
1 甲号証
 甲1から甲6は同意。
 甲7は不同意。
 甲8は留保。
 甲9については、3頁目の3行目から10行目は不同意。その余は同意

 2 乙号証
 乙1から乙6は同意。ただし、信用性は争うことがある
                                                以上

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