お電話での無料相談 (平日10時~18時) 06-6773-9114
LINE無料相談 無料相談予約

兄弟が親の介護を理由に「寄与分として遺産を倍よこせ」と言っています。

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、遺産分割・遺留分侵害額請求・相続放棄・不動産登記義務化等の相続実務経験に基づき、最新の民法および裁判所実務に沿ってわかりやすく解説しています。

親が亡くなった後、遺産分割の話し合いの場で突然、同居していた兄弟から「自分は長年親の介護をしてきたのだから、その分(寄与分として)多く遺産をもらう権利がある」と言われ、戸惑ってしまうケースは少なくありません。

介護は精神的にも肉体的にも負担が大きい労力である一方、法律上の「寄与分」として認められるためには、非常に厳格な要件を満たす必要があります。単に同居して身の回りのお世話をしていたというだけでは、寄与分が認められないケースが多々あります。

本記事では、寄与分が認められるための条件や、法的に必要となる証拠、トラブルになった際の対処法について詳しく解説します。

兄弟から「介護を理由に寄与分を多くほしい」と言われたら?

Q 親の介護をしていた兄弟から「寄与分として遺産を多くほしい」と言われました。単なる同居や日常的な世話でも寄与分は認められますか?
A 【法律上の要点】単に同居して日常的な身の回りのお世話や家事をしていた程度では、原則として寄与分は認められません。法律上認められるには、被相続人の財産の維持または増加に直結する「特別の寄与」と評価される無償の献身や、多額の医療費を自身の財産から肩代わりしたという客観的な事実が必要です。
【対策と注意点】感情的な対立から遺産分割協議が長期化しやすいため、まずは相手側に医療費の領収書や介護の記録など具体的な証拠の提示を求めましょう。法的要件を満たしているか判断に迷う場合は、相続問題に精通した弁護士へ早めに相談し、冷静かつ適正な遺産分割を進めることを強くおすすめします。

相続人同士の話し合いで「介護の苦労」が感情論に発展すると、遺産分割協議が長期化する原因となります。法律が定める寄与分の定義を正しく理解し、冷静に対処することが重要です。

法律上の「寄与分」とは何か

民法において寄与分とは、被相続人の財産の維持または増加について、特別の寄与をした相続人がいる場合、その貢献度を考慮して法定相続分よりも多く遺産を取得できる制度です。

しかし、この「特別の寄与」というハードルは非常に高く設定されています。家族間で行われる一般的な扶養義務(互いに助け合う義務)の範囲内とみなされる行為については、残念ながら寄与分として認められません。

単なる介護では寄与分が認められにくい理由

親子や兄弟といった親族間には、お互いを扶養し合う義務が法律上存在します。そのため、同居して食事の用意をしたり、日常的な見守りや身の回りの世話をしたりすることは、「通常の扶養義務の範囲内」と判断されるのが一般的です。

裁判所が介護を理由に寄与分を認めるためには、単なる同居や日常の世話を超えた、以下のような特別な要素が必要となります。

介護で寄与分が認められるための具体的な要件

兄弟の主張に対して法的な根拠があるかどうかを見極めるためには、以下の3つの要素がポイントになります。

特別な寄与と認められるケース

介護において寄与分が認められやすいのは、主に以下のような状況が長期間にわたって継続した場合です。

  • 専従的な介護:仕事を辞める、または労働時間を大きく制限して、ほぼ204時間体制で重度の要介護者を介護し続けた場合
  • 金銭的な負担:自身の収入から多額の医療費や施設費用を継続して支払い、結果的に被相続人の財産減少を防いだ場合
  • 献身的な看護:看護師レベルの専門的な医療ケアを無償で長期間提供し、外部に支払うべき費用を免れさせた場合

「無償の献身」と客観的な証拠の重要性

介護による寄与分を主張・立証するためには、口頭での主張だけでなく、客観的な証拠が不可欠です。証拠がない場合、裁判所や他の相続人を納得させることはできません。

具体的には、以下のような資料が証拠として重要になります。

  • 要介護度を証明する書類(要介護3〜5などの認定がわかるケアプランや介護保険証の履歴)
  • 介護のために仕事を辞めた、または休職したことを証明する書類(源泉徴収票、退職証明書など)
  • 介護にかかった費用を自分の口座から支払ったことがわかる領収書や通帳のコピー
  • 日々の介護の状況、投薬、リハビリの内容などを詳細に記録した介護日誌や日記

寄与分をめぐるトラブルの対処法と注意点

「介護をしたから遺産を倍ほしい」という兄弟の主張に対し、感情的に反発すると話し合いは決裂してしまいます。法的な基準をもとに、冷静に対応を進めましょう。

話し合いで解決しない場合の法的手続

当事者間の協議で合意に至らない場合、相続人は家庭裁判所に対して「遺産分割調停」を申し立てることができます。

調停では、調停委員という中立的な第三者が間に入り、お互いの主張を聞き取りながら合意に向けた調整を行います。それでもまとまらない場合は「審判」に移行し、裁判官が一切の事情を考慮して寄与分の有無や割合を決定します。審判においては、前述した客観的な証拠の有無が結果を大きく左右します。

最新の法改正と不動産の相続手続きへの影響

遺産分割協議がまとまらないまま放置すると、将来的に大きなリスクを抱えることになります。2024年4月からは相続登記が義務化され、正当な理由なく放置すると過料(罰金)の対象となります。

また、2026年4月からは住所変更登記の義務化も控え、不動産の権利関係をクリアにしておく必要性が一層高まっています。介護の寄与分に関する争いで遺産分割が進まないままでいると、不動産の売却や名義変更ができなくなるおそれがあるため注意が必要です。

まとめ

兄弟から「介護を理由に寄与分を多くほしい」と言われた場合、まずはその介護が法律上の「特別の寄与」にあたるか、そしてそれを証明する客観的な証拠があるかを確認することが大切です。

単なる日常的なお世話では寄与分は認められませんが、証拠の有無や法的な解釈の判断は一般の方には非常に難しいものです。感情的な対立を防ぎ、適正な遺産分割を実現するためにも、早い段階で相続問題に強い弁護士などの専門家へ相談することをおすすめいたします。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

この記事に関するご相談はこちら

専門の弁護士があなたのお悩みを
解決へ導きます。
まずはお気軽にLINEよりご相談ください。

【日本全国対応・ご来所不要】
LINE・お電話で手続完結

初回相談30分無料
(※事案により異なる場合があります)
ご相談だけで終了しても費用は一切かかりません

LINEで無料相談(24時間受付)
電話で詳しく聞く 📞 フォームから予約 📧
TOP
LINE相談
無料相談