「将来の相続税が心配…」「生きているうちに子供へ財産を譲りたい」
そうお考えの方が利用するのが「生前贈与(せいぜんぞうよ)」です。ここでは、生前贈与の基本と、贈与を行う際に選ぶことになる2つの主要な制度について解説します。
生前贈与(せいぜんぞうよ)とは?
生前贈与とは、文字通り「人が生きている間に、自分の財産を他の人へ無償で譲り渡すこと」を指します。
死後に財産を引き継ぐ「相続」とは異なり、あげる側(贈与者)ともらう側(受贈者)の双方の合意によって成立します。
- 相続税の節税:生前に財産を減らしておくことで、将来かかる相続税を軽減する
- 財産の確実な移転:遺言書を書かなくても、自分の意思で「誰に」「何を」あげるか確実に決められる
- 次世代への早期支援:子供の住宅購入や孫の教育など、必要なタイミングで資金を援助できる
贈与にかかる「贈与税」と2つの制度
財産をもらうと、原則として「贈与税」がかかります。
ただし、日本の税制には贈与税の負担を軽くするためのルールが用意されており、大きく分けて2つの制度(カテゴリ)から自分に合ったものを選択することになります。
① 暦年贈与
(原則・デフォルトの制度)
✅ 年間110万円まで非課税
特別な手続きをしなくても、1年間に受け取った財産が110万円以下なら無税になる、最も一般的な方法です。長期的に少しずつ贈与するのに向いています。
② 相続時精算課税制度
(特例・届出が必要な制度)
✅ 2,500万円までまとめて非課税枠
✅ さらに年間110万円の非課税枠(2024年新設)
税務署へ届出を出すことで、2,500万円までの大きな財産を贈与しても当面の税金がかからない制度です(相続時に精算)。2024年の改正により、これに加えて「毎年110万円までは申告不要・加算なし」となる枠が新設され、非常に使い勝手が良くなりました。
何も手続きをしなければ、日本のルールでは全員が①の「暦年贈与」の対象です。
しかし、届出を出して②の「相続時精算課税制度」を選択すると、その贈与者からの贈与については一生①の「暦年贈与」に戻すことはできません。
どちらの制度を選ぶべきか迷った場合は、税理士や弁護士などの専門家にご相談されることをお勧めします。
一見不利に見える「暦年贈与」の強力なメリットとは?
2024年の法改正により、相続時精算課税制度にも「年間110万円の非課税枠」が新設されました。「2,500万円の枠に加えて、毎年110万円も非課税になるなら、精算課税のほうが圧倒的にお得では?」と思われる方も多いでしょう。
しかし、それでも富裕層を中心に「暦年贈与」が選ばれ続けるのには、精算課税にはない強力なメリットがあるからです。
- 相続財産そのものを減らせる(真の節税効果)
精算課税は、将来亡くなった時に贈与分が「相続財産に足し戻されて」計算されるため、実は税金の先送りに過ぎないケースが多くあります。一方、暦年贈与は(死亡前7年以内を除き)贈与した財産が完全に切り離されるため、「親の財産そのものを減らして相続税を安くする」という真の節税になります。 - 孫や子の配偶者など「誰にでも」渡せる
精算課税は「60歳以上の親・祖父母から、18歳以上の子・孫へ」という条件がありますが、暦年贈与は年齢や続柄を問わず誰にでも贈与可能です。 - 法定相続人以外なら「持ち戻し」も回避できる
暦年贈与を「法定相続人以外(孫や子の配偶者など)」に行うと、原則として死亡前7年以内の加算ルールの対象外となり、亡くなる直前の駆け込み贈与であっても確実に相続財産を減らすことができます。
まとめ
- 生前贈与は、生きている間に自分の意思で財産を移転できる仕組み。
- 将来の相続トラブル防止や、相続税対策として活用される。
- 贈与のルールには「暦年贈与」と「相続時精算課税制度」の2つがある。
- 制度の選択は取り消せない場合があるため、長期的な視点での検討が必要。
【日本全国対応・ご来所不要】LINE・お電話で手続完結
初回相談30分無料(※事案により異なる場合があります)
ご相談だけで終了しても費用は一切かかりません