お電話での無料相談 (平日10時~18時) 06-6773-9114
🔍 検索 無料相談を予約する

暦年贈与の基礎知識

KNOWLEDGE - ANNUAL GIFT

【この記事の監修者】

井上 正人 弁護士(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表)

「毎年110万円ずつ贈与すれば税金がかからない」という話を聞いたことはありませんか?
これが「暦年贈与」と呼ばれる制度です。正しく活用すれば有効な相続税対策になりますが、2024年の税制改正で大きな変更がありました。

暦年贈与とは?

暦年贈与とは、1月1日〜12月31日の1年間(暦年)に受け取った贈与の合計額に対して贈与税を計算する制度です。

💡 基礎控除 年間110万円

1年間に受け取った贈与の合計額が110万円以下であれば、贈与税はかからず、申告も不要です。この110万円は受贈者(もらう人)ごとに計算します。

暦年贈与の仕組み

📝 具体例:毎年110万円を20年間贈与した場合

110万円 × 20年 = 2,200万円を非課税で移転可能

子供2人に対して行えば → 4,400万円の財産移転
孫4人にも行えば → さらに8,800万円

このように、長期間×多人数で行うほど効果が大きくなります。

🔴 2024年改正:生前贈与加算が3年→7年に延長

📋 2024年1月1日以降の贈与から適用

従来、相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算されていましたが、7年以内に延長されました。

改正前 改正後
加算期間 3年以内 7年以内
延長4年分の控除 合計100万円まで控除
経過措置 2024年以降の贈与から段階的に延長
⚠️ 加算対象は「相続人」への贈与のみ

生前贈与加算の対象は、相続で財産を取得した人への贈与に限られます。つまり、孫や子の配偶者など相続人以外への贈与は、加算の対象外です(※遺贈がある場合を除く)。

💡 「延長4年分の100万円控除」の具体例と図解
⚠️ 「非課税枠の110万円は加算されないのでは?」というよくある誤解
実はここが一番恐ろしいポイントです。生前贈与加算では、基礎控除(110万円)の枠内で無税で行った贈与であっても、その全額が相続財産に足し戻されてしまいます。
つまり、「亡くなる直前(3〜7年前)の贈与は、たとえ非課税枠内であっても実質的に無効化され、相続税の対象になってしまう」ということです。

2024年の改正により、この足し戻される期間が3年から7年に延びました。しかし、延長された「4〜7年前」に贈与された合計額からは、一度だけ最大100万円をマイナス(控除)してくれるという救済措置が設けられています。

【例】亡くなる前の7年間、毎年「110万円(非課税枠ピッタリ)」ずつ贈与していた場合

8年前以前
(加算なし)
相続開始の 7〜4年前
(延長された4年間)
相続開始の 3〜1年前
(従来からの3年間)
相続発生
(死亡)
8年前以前
110万〜
7年前
110万
6年前
110万
5年前
110万
4年前
110万
3年前
110万
2年前
110万
1年前
110万
対象外
加算なし
4年分の合計: 440万円
ー ここから 100万円 を控除
👉 相続財産への加算額:340万円
3年分の合計: 330万円
(控除なしで全額加算)
👉 相続財産への加算額:330万円
最終的に相続財産に足し戻される金額: 340万円 + 330万円 = 670万円
(もし100万円控除の救済措置がなければ、770万円が加算されていました)
💡 経過措置のシミュレーション(いつから7年になる?)

2024年からいきなり過去7年分が加算されるわけではありません。「2024年1月1日以降に行われた贈与」から徐々に期間が延びていきます。

  • 2026年中に亡くなった場合:2023年以前の贈与は「3年ルール」、2024年以降の贈与分が加算されます。(実質まだ約3年分)
  • 2028年中に亡くなった場合:2024年から4年強が経過しているため、過去約5年分が加算対象になります。(ここで初めて延長分100万円控除が使えます)
  • 2031年以降に亡くなった場合:ここで完全に「過去7年分」の贈与が加算対象となります。

つまり、早く贈与を始めれば始めるほど、この「持ち戻し(加算)」のリスクを回避できる可能性が高まります。

暦年贈与の注意点

定期贈与とみなされないために

「毎年110万円を10年間贈与する」という約束がある場合、1,100万円の定期贈与とみなされ、初年度に全額に対して贈与税が課される可能性があります。

  • 毎年、贈与契約書を作成する(金額・日付を変える)
  • 贈与の時期や金額を毎年変える
  • 時には110万円を少し超える金額を贈与して申告する

名義預金にならないために

  • 受贈者本人の口座に銀行振込で記録を残す
  • 通帳・印鑑は受贈者本人が管理
  • 受贈者に贈与の事実を認識させる

暦年贈与 vs 相続時精算課税 比較表

2024年の改正により、もう一つの贈与方法である「相続時精算課税制度」にも年間110万円の控除が新設され、どちらを選ぶべきか迷う方が増えています。

👇 もう一つの選択肢「相続時精算課税制度」についてはこちら

2,500万円まで一気に贈与でき、改正でさらに使いやすくなった制度の詳細は以下のページで解説しています。

相続時精算課税制度を詳しく見る
項目 暦年贈与 相続時精算課税
基礎控除 年間110万円 年間110万円(2024年〜新設)
特別控除 なし 累計2,500万円
税率 10〜55%の超過累進 特別控除超過分に一律20%
相続時の加算 7年以内の贈与を加算 全ての贈与を加算
※基礎控除110万以下は加算なし
小規模宅地等の特例 適用不可
(※贈与した不動産には使えません)
適用不可
(※贈与した不動産には使えません)
対象者 誰でもOK 60歳以上の親・祖父母→18歳以上の子・孫
選択の撤回 いつでも可能(デフォルト) 一度選択すると撤回不可
向いている人 長期的にコツコツ贈与したい人 まとまった財産や値上がり確実な財産を一度に移したい人

暦年贈与を効果的に行うコツ

1

早期開始
贈与は早く始めるほど効果大

2

多人数
子・孫・配偶者など多人数に

3

記録
契約書作成&振込記録

4

変化
金額・時期を毎年変える

よくある質問(FAQ)

Q. 比較表に「小規模宅地等の特例」が適用不可とありますが、間違いですか?「相続時精算課税」なら相続時に使えるのでは?

いいえ、どちらの生前贈与も「適用不可」となります。ここは名前が引き起こす最大の誤解ポイントです。
「小規模宅地等の特例(自宅の土地が80%オフになる特例)」は、あくまで「死亡時に相続(または遺贈)で引き継いだ財産」にしか使えません。
「相続時精算課税」は名前に「相続」とついていますが、法律上は「生前に贈与で渡した財産」を相続時にまとめて計算するだけの制度です。そのため、不動産をこの制度で生前贈与してしまうと「贈与で取得した財産」扱いとなり、強力な80%オフの特例が一切使えなくなってしまいます。実家などの不動産を渡す場合は、生前贈与すべきか相続まで待つべきか、慎重な判断が必要です。

Q. 110万円の贈与税非課税枠は、あげる人・もらう人どちらが基準ですか?

もらう人(受贈者)が基準です。1人の人が1年間に受け取った合計額が110万円以下であれば非課税です。例えば、父から100万円、母から100万円をもらった場合、合計200万円となり、110万円の枠を超えるため贈与税がかかります。

Q. 贈与税がかからない110万円以下の贈与でも、申告は必要ですか?

いいえ、必要ありません。1年間の贈与額が110万円以下の場合は、贈与税の申告も納税も不要です。

Q. 現金ではなく、株式や車を贈与した場合も110万円の枠に入りますか?

はい、入ります。現金だけでなく、不動産、株式、自動車など、金銭に見積もることができる経済的価値のあるものはすべて贈与税の対象となり、評価額が110万円の枠内で計算されます。

まとめ

📌 暦年贈与のポイント
  • 年間110万円まで非課税(受贈者ごと)
  • 2024年改正で生前贈与加算が3年→7年に延長
  • 相続人以外(孫等)への贈与は加算対象外
  • 定期贈与名義預金にならないよう注意
  • 早期開始×多人数が最も効果的
  • まとまった財産の場合は相続時精算課税制度も検討する

【日本全国対応・ご来所不要】LINE・お電話で手続完結
初回相談30分無料(※事案により異なる場合があります)
ご相談だけで終了しても費用は一切かかりません

LINEで今すぐ無料相談・24時間WEB予約
無料相談を予約する
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人 (いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

この記事に関するご相談はこちら

専門の弁護士があなたのお悩みを解決へ導きます。
まずはお気軽にお問い合わせください。

【日本全国対応・ご来所不要】LINE・お電話で手続完結
初回相談30分無料(※事案により異なる場合があります)
ご相談だけで終了しても費用は一切かかりません

LINEで今すぐ無料相談・24時間WEB予約

お電話での無料相談予約

📞 06-6773-9114 ✉️ メールで無料相談する
電話で詳しく聞く 📞 フォームから予約 📧
TOP
LINE相談
無料相談