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故人の「ペイペイ(PayPay)マネー・LINE Pay」などの電子マネー残高回収

【この記事の監修者】

井上 正人 弁護士(大阪弁護士会所属 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表)

故人のスマホ決済アプリ残高はどうなる?遺族が行うべき手続き

Q 故人が遺したPayPayやLINE Payなどの電子マネーの残高は相続できますか?
A はい、基本的には相続の対象となります。ただし、銀行口座とは異なり自動的には引き出せないため、遺族から各運営会社のカスタマーサポートへ問い合わせて、規約に基づいた払い戻しや残高回収の手続きを行う必要があります。

近年、日常の買い物や公共料金の支払いにスマートフォン決済アプリを利用する人が急増しています。それに伴い、被相続人(故人)が「PayPay」や「LINE Pay」などの電子マネー残高デジタルマネーを保有したまま亡くなるケースが増えています。

しかし、これらのデジタル資産は、通常の預貯金のように通帳やキャッシュカードが存在しないため、遺族がその存在に気づきにくいという特徴があります。また、見つけたとしても「どうやって引き出せばいいのかわからない」と悩まれる方が少なくありません。

結論から申し上げますと、電子マネーの残高も大切な遺産の一つであり、適切な手続きを踏むことで現金として回収することが可能です。本記事では、スマホ決済アプリの利用規約や、遺族によるカスタマーサポートへの照会・送金手続きの流れについて詳しく解説します。

スマホ決済アプリと利用規約の基本知識

故人の電子マネー残高を回収するにあたり、最初に理解しておかなければならないのが各サービスの利用規約です。

多くのスマホ決済アプリや資金決済業者の利用規約では、アカウントの保有者本人のみが利用できる一身専属的な権利として規定されています。つまり、契約者本人が死亡した場合、原則としてアカウントは失効または凍結される仕組みになっています。

アカウント凍結と残高の行方

運営会社が口座保有者の死亡を把握するか、遺族からの連絡によって死亡が確認されると、不正利用を防ぐためにアカウントは速やかにロックされます。

ここで注意すべきなのは、アカウントが凍結されたからといって、残高が消滅するわけではないという点です。運営会社に対して適切な相続手続きを行うことで、残高は法定相続人に返金(払い戻し)されるのが一般的です。

ただし、アカウント内の「PayPayマネーライト」や一部のポイント、キャンペーンで付与されたボーナスなどの中には、規約上、相続や払い戻しの対象外とされているものも存在します。返金されるのは原則として現金化可能なマネー残高(出金可能なチャージ残高など)に限られるケースが多い点に留意してください。

遺族によるカスタマーサポート照会と送金までの流れ

電子マネー残高を回収するためには、遺族が自ら動き、運営会社のサポート窓口に連絡を入れる必要があります。具体的な手順は以下の通りです。

  • 故人のスマートフォンやパソコンを確認し、利用していた決済アプリを特定する
  • 各運営会社の公式サイトから、問い合わせ窓口(カスタマーサポート)を探す
  • 「契約者の死亡に伴うアカウント解約と残高の払い戻し」について問い合わせる
  • 運営会社から送られてくる案内や請求書類に必要事項を記入し、必要書類を提出する

手続きに必要な書類の例

運営会社によって求められる書類は異なりますが、一般的には遺産の相続手続きに準じた公的証明書が必要となります。具体的には以下のような書類の提出を求められることが多いです。

  • 故人の死亡が確認できる戸籍謄本(または除籍謄本)
  • 手続きを行う相続人の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑登録証明書
  • 相続人全員の同意書(代表者が受け取る場合など)
  • 請求者の本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)

これらの書類を揃えて運営会社に送付すると、内容審査が行われます。審査完了後、指定した相続人の銀行口座へ残高相当額が送金(払い戻し)されるという流れになります。

デジタル遺産回収における注意点とアドバイス

スマホ決済アプリの残高回収を進めるにあたり、遺族が直面しやすい注意点やトラブルを防ぐためのポイントを解説します。

生前パスワードの共有リスクと注意点

故人のスマートフォンのロックを解除するために、遺族がパスコードを入力したり、アプリにログインして直接銀行口座へ出金しようと試みるケースが見受けられます。

しかし、名義人死亡後のアカウントへの不正ログインや、勝手な出金操作は利用規約違反に該当するだけでなく、他の相続人との間で「勝手に遺産を持ち出した」という遺産トラブルに発展するリスクがあります。故人のスマホを開く前に、まずは正規のカスタマーサポートへ連絡するのが安全かつ確実な方法です。

遺産分割協議との関係

電子マネーの残高が少額であったとしても、立派な遺産の一部です。もし複数の相続人がいる場合、誰がその残高を相続するのか、あるいは他の財産と合わせてどのように分けるのかを明確にしておく必要があります。

後々の骨肉のトラブルを防ぐためにも、高額なデジタル残高が見つかった場合は、遺産分割協議書の中にしっかりと記載するか、相続人全員の合意を得て代表者が受け取るようにしましょう。

近年は2024年の相続登記義務化をはじめ、不動産や預貯金だけでなく、こうしたデジタル遺産の適正な管理と相続への関心が高まっています。故人が遺したスマホ決済アプリの残高を見落とさず、正しい手順で円滑に回収しましょう。もし複雑な手続きや他の相続財産との兼ね合いで不安がある場合は、相続の専門家である弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人 (いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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