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土地の一部に「不法投棄されたゴミ・不審車両」がある場合の撤去義務

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、遺産分割・遺留分侵害額請求・相続放棄・不動産登記義務化等の相続実務経験に基づき、最新の民法および裁判所実務に沿ってわかりやすく解説しています。

相続した土地や所有している土地の一部に、身元不明のゴミが不法投棄されていたり、見知らぬ不審車両が放置されていたりするトラブルに悩まれる方は少なくありません。ご自身の土地であっても、他人が勝手に置いたものに対してどのように対処すべきか、法律的な知識を持っておくことが重要です。

この記事では、土地に不法投棄されたゴミや不審車両を発見した際の撤去義務や、費用の負担、警察への対応手順について詳しく解説します。

土地にあるゴミや不審車両の撤去責任は誰にあるのか?

Q 土地に勝手に捨てられたゴミや不審車両の撤去は、土地の所有者が自分で費用を負担して行わなければならないのですか?
A 【原則と撤去費用】原則として、土地の所有者または管理者が自己責任と自己負担で撤去しなければなりません。不法投棄をした犯人が特定できれば損害賠償請求が可能ですが、犯人が不明な場合は所有者が対応を求められます。
【法的リスクと対策】放置し続けると悪臭や害虫、火災のリスクが生じ、行政から指導を受ける恐れがあります。まずは警察へ被害届を提出し、証拠保全を行った上で、弁護士などの専門家に相談して早めの撤去と法的手続きを進めることが重要です。

土地の所有権を持つ人は、その土地を適正に管理する責任(工作物責任や所有者責任)を負います。そのため、民事上の原則として、敷地内にある放置物についてもまずは所有者が対応せざるを得ないのが現状です。

不法投棄されたゴミの定義と法的性質

ゴミといっても、家庭ゴミ、家電製品、産業廃棄物などさまざまです。これらはすべて「占有物の管理」の問題となり、土地の所有者が意図せず持ち込まれたものであっても、放置し続けると周囲への悪臭や害虫の発生、火災のリスクなどを招くため、行政から指導を受ける可能性もあります。

撤去費用は原則として自己負担

不法投棄の犯人が見つかり、その人から損害賠償として費用を回収できるのが理想です。しかし、実際には犯人の特定が非常に難しく、夜間に不法投棄されたケースなどでは、「撤去費用は自己負担」となるケースがほとんどです。産業廃棄物などの場合、撤去や処分に高額な費用がかかるため、専門業者に見積もりを依頼する必要があります。

警察への被害届提出と初動対応の重要性

ゴミの不法投棄や不審車両を発見した際、放置したままにしておくと事態が悪化する恐れがあります。まずは速やかに警察へ連絡し、適切な初動対応を行いましょう。

警察へ被害届を提出する手順

不法投棄や車両の無断放置は、犯罪行為(廃棄物処理法違反や窃盗・建造物侵入など)に該当する可能性があります。

  • 発見時の状況をそのまま保つ(写真や動画で記録を残す)
  • 最寄りの警察署または交番に連絡し、現場を確認してもらう
  • 被害届または遺失物・放置車両としての届出を相談する

なお、警察は個人の私有地内のトラブルについて、民事不介入の原則から積極的に撤去作業を行ってくれるわけではありません。しかし、「被害届が受理されること」や、捜査によって犯人が特定されるきっかけになるため、警察への連絡は必ず最初に行うべき重要ステップです。

不審車両に対する注意点

土地に車が放置されている場合、中には盗難車や事件・事故に関わった車両である危険性もあります。絶対にご自身の判断でドアを開けたり、勝手にレッカー移動させたりしてはいけません。車を勝手に動かすと、後々所有者から「車を破損させられた」「車内の貴重品がなくなった」といった思わぬトラブル(損害賠償請求)に発展するリスクがあるためです。

所有者不明の土地問題と法改正に備えるリスク管理

近年、放置空き地や所有者不明の土地が社会問題化しており、国も法整備を進めています。2024年の相続登記義務化や、2026年4月にスタートする住所変更登記の義務化など、不動産の所有者を明確にするための法律が次々と施行されています。

ご自身の土地であっても適切な管理を怠ると、放置されたゴミや不審車両が原因で近隣トラブルを引き起こし、結果として所有者としての責任を問われることにもなりかねません。

被害を未然に防ぐための対策

不法投棄や不審車両の侵入を許さないためには、日頃からの防衛策が有効です。

  • 敷地の周囲にフェンスやロープを設置し、容易に入れないようにする
  • 「防犯カメラ作動中」などのステッカーや警告文を掲示する
  • 定期的に現地を訪れ、草刈りや清掃を行って「人が管理している土地」であることをアピールする

すでにゴミや不審車両が放置されていて自力での解決が難しい場合や、犯人との交渉、行政とのやり取りに不安がある場合は、放置車両や不法投棄問題に詳しい弁護士などの専門家に早めにご相談ください。法律的かつ現実的な解決策のアドバイスを受けることができます。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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