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被相続人が「YouTubeやブログで広告収入(アドセンス)」を得ていた場合の相続

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、遺産分割・遺留分侵害額請求・相続放棄・不動産登記義務化等の相続実務経験に基づき、最新の民法および裁判所実務に沿ってわかりやすく解説しています。

YouTubeやブログの広告収入(アドセンス)も相続財産の対象になる

Q 被相続人が得ていたYouTubeやブログの広告収入(アドセンス)やアカウントは相続財産の対象になりますか?
A 【法律・手続きの要点】被相続人が死亡するまでに発生した未払いの広告収入(金銭債権)およびチャンネルやブログなどのデジタル資産は、原則としてすべて相続財産の対象となります。Googleアドセンス等の未払い報酬は、支払基準額を超えていれば遺産分割協議を経て相続人が受け取ることが可能です。
【対策・注意点】プラットフォームの規約上、アカウントの名義変更や引き出しには被相続人のアカウント情報へのアクセスや戸籍謄本等の証明書類が必要となるケースが多くあります。トラブルを防ぎスムーズに手続きを進めるためにも、早めに弁護士などの専門家に相談し、遺産分割協議を踏まえた適切な対応を行うことをお勧めします。

近年、YouTubeやブログなどのデジタル資産で収入を得る人が増えています。被相続人がネット上で生前に収益を上げていた場合、残された家族は「この収益やアカウントはどうなるのか」と戸惑うことが少なくありません。

結論から言うと、金銭としての未払い収益は確実に相続財産に含まれます。また、チャンネルやブログ運営権の扱いについても、プラットフォームの規約に沿った適切な手続きが必要です。ここでは、アカウントの移転可否や未払い収益の精算方法、Googleなどの運営会社への連絡手順について詳しく解説します。

広告収入における「未払い収益」の精算と相続手続き

被相続人が亡くなった時点で、まだ口座に振り込まれていない「未払いの広告収入(Googleアドセンス等)」は、明確な金銭債権として相続の対象となります。

未払い収益を受け取るためのステップ

Googleアドセンスなどのプラットフォームでは、収益を受け取るために一定の支払基準額(日本国内では8,000円など)が設定されています。亡くなった時点での残高がこの基準額を超えている場合、遺産分割協議を経て相続人が受け取ることができます。

  • 被相続人のアドセンスアカウントにアクセスし、未払い報酬の残高を確認する
  • 遺言書がある場合はそれに従い、ない場合は相続人全員で遺産分割協議を行い、誰がこの金銭債権を取得するかを決定する
  • プラットフォームのサポート窓口や所定の申請フォームから、アカウント保有者の死亡と相続手続きの旨を連絡する

ただし、故人の銀行口座は死亡を確認した金融機関側で凍結されるため、そのままではアドセンスからの振込が受け取れない点に注意が必要です。遺産分割協議がまとまった後、遺産分割協議書や戸籍謄本などの必要書類を添えて、プラットフォーム側の指定する方法で相続人名義の口座への変更や未払い金の請求を行うことになります。

YouTubeチャンネルやブログのアカウントは移転できるか

金銭債権とは異なり、YouTubeチャンネルやブログ、アドセンスの「アカウント自体」の相続や移転については、各プラットフォームの利用規約が深く関わってきます。

Googleアカウントやアドセンスの規約上の制限

Googleの利用規約では、原則としてアカウントの譲渡や名義変更は認められていません。故人のGoogleアカウントやアドセンスアカウントを、相続人がそのまま引き継いでログインし続けることは規約違反にあたるリスクがあります。

そのため、アドセンスのアカウント自体を相続人が「そのまま乗っ取る」ような形で引き継ぐことは困難です。実務上は、以下のような対応が一般的となります。

  • 故人のアドセンスアカウントは閉鎖(解約)の手続きを行う
  • チャンネルやブログの所有権を相続人が新たに作成したアカウントへ移行できるか、運営会社のサポートに相談する
  • 収益化の条件を再度満たす必要がある場合もあるため、プラットフォームの公式ヘルプを確認する

デジタル資産の相続は一般的な不動産や預貯金とは異なり、利用規約の壁に阻まれるケースが少なくありません。独自に判断してアカウントを操作すると、かえって収益の回収が難しくなることもあるため注意が必要です。

運営会社(Google等)への連絡方法と注意点

被相続人の収益を適切に清算し、アカウントを整理するためには、運営会社(Google等)への速やかな連絡が必要です。

連絡時の注意点と必要書類

Googleに対してアカウント保持者の死亡を報告する場合、専用のフォームやサポート窓口を通じて手続きを行います。一般的に、以下のような書類や情報の提示が求められます。

  • 故人の氏名およびメールアドレス(アカウント情報)
  • 相続人であることを証明する書類(戸籍謄本など)
  • 遺言書または遺産分割協議書(相続人が複数いる場合)

海外企業であるGoogle等とのやり取りでは、英語での対応や、公的書類の英訳証明が求められるケースもあります。不備があると手続きが長期化するため、正確な情報の提示が不可欠です。

デジタル遺産の法律・税務上のポイント

YouTubeやブログによる広告収入は、相続税の申告対象にも含まれます。死亡時点における未払い報酬の額を正確に算出し、他の預貯金や不動産と同様に相続税の課税価格に算入しなければなりません。

また、生前に被相続人が得ていた収益に関する確定申告(準確定申告)の義務が生じる場合もあります。デジタル資産の処理は税務や法律の専門知識が絡み合うため、自己判断で進めず、弁護士や税理士などの専門家に相談しながら進めることを強くおすすめします。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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