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相続放棄受理証明書と受理通知書の違いは?
再発行ができるのはどっち?

【この記事の監修者】

井上 正人 弁護士(大阪弁護士会所属 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表)

相続放棄受理通知書と受理証明書の違いとは?

Q 相続放棄受理通知書と受理証明書の違いは何ですか?また、再発行はできますか?
A 「受理通知書」は家庭裁判所が放棄を受理した際に一度だけ送付する通知で、再発行はできません。「受理証明書」は第三者に放棄を証明するために申請して取得する書類で、手数料を支払えば何度でも再発行(交付申請)が可能です。

亡くなった人(被相続人)に借金などの債務があった場合、家庭裁判所で「相続放棄」の手続きを行うことで、それらの債務を引き継がずに済みます。

相続放棄の手続きが完了すると、家庭裁判所から書類が届きますが、このときに関係してくるのが「相続放棄受理通知書」「相続放棄受理証明書」の2つです。名前が非常に似ているため混同されやすいですが、これらは役割や再発行の可否が大きく異なります。

ここでは、それぞれの違いと、再発行の手続きについて分かりやすく解説します。

相続放棄受理通知書とは

「相続放棄受理通知書」とは、家庭裁判所が相続放棄の申述を正式に受理したことを、申述人(相続放棄をした本人)に対して知らせるための通知書です。

相続放棄の手続きが完了すると、家庭裁判所から自動的に1部だけ郵送されてきます。これは「手続きが完了した」という報告書のような位置づけであるため、再発行をすることは一切できません

相続放棄受理証明書とは

「相続放棄受理証明書」とは、相続放棄が家庭裁判所に受理されていることを対外的に証明するための公的な書類です。

こちらは受理通知書とは異なり、手続き完了後に自動的に送られてくるものではありません。必要に応じて、申述人や利害関係人が家庭裁判所に交付申請を行うことで初めて発行されるものです。手数料(収入印紙)を支払えば、必要に応じて何回でも再発行(追加交付)を請求することができます。


債権者から「原本の提示・提出」を求められた場合の正しい対応

被相続人に借金があった場合、債権者(銀行や消費者金融など)から「相続放棄をしたのなら、その証明書を見せてほしい」と求められることがあります。その際の対応には注意が必要です。

受理通知書は手元に残す(原本を渡してはいけない)

債権者から原本の提示を求められたとしても、「相続放棄受理通知書」の原本を債権者に渡してはいけません

前述の通り、受理通知書は再発行ができない貴重な書類です。万が一紛失したり、回収できなくなったりすると、自分が相続放棄をしたことを示す手元の控えがなくなってしまいます。債権者に対しては、まずは「受理通知書のコピー」の送付で対応するのが一般的です。

債権者には「受理証明書」または「コピー」を提出する

多くの債権者は受理通知書のコピーで納得してくれますが、金融機関や裁判手続き中の債権者などによっては「コピーではなく原本を提出(または提示)してほしい」と強く求めてくるケースがあります。

そのような場合には、家庭裁判所で「相続放棄受理証明書」を必要部数だけ取得し、その原本を提出するようにしてください。受理証明書であれば、万が一紛失したり相手に渡したままになったりしても、再度家庭裁判所に申請すれば新しい原本を手に入れることができるため安心です。

また、2024年4月から相続登記が義務化されましたが、相続放棄によって登記義務を免れる証明として法務局へ書類を提出する際にも、この受理通知書のコピーまたは受理証明書が必要となります。


再発行ができるのはどっち?家庭裁判所への申請方法

結論から申し上げますと、再発行(正確には新規の交付申請)ができるのは「相続放棄受理証明書」のみです。

「相続放棄受理通知書」を紛失してしまった場合は、代わりに「相続放棄受理証明書」を申請・取得することで、全く同じように相続放棄の事実を証明することができます。

家庭裁判所への「相続放棄受理証明書」の交付申請手順

受理証明書は、相続放棄の申述を行った家庭裁判所に対して申請します。申請に必要な書類や費用は以下の通りです。

  • 相続放棄受理証明書交付申請書(家庭裁判所の窓口またはウェブサイトから入手可能)
  • 収入印紙(証明書1通につき150円分)
  • 返信用封筒と切手(郵送で申請・受け取りを行う場合)
  • 申請者の本人確認書類のコピー(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 認印(申請書に押印するため)

申請書に必要事項(事件番号、申述人の氏名、被相続人の氏名など)を記入し、1通あたり150円の収入印紙を貼付して、管轄の家庭裁判所に直接持参するか、郵送にて提出します。

受理通知書を紛失し「事件番号」が分からない場合の代替手段

受理証明書を申請する際には、相続放棄手続きの際に割り振られた「事件番号(令和〇年(家)第〇〇号など)」を申請書に記載する必要があります。

しかし、受理通知書を紛失してしまったために事件番号が分からないというケースも少なくありません。その場合は、以下の方法で調べることができます。

  1. 家庭裁判所へ「相続放棄の申述有無の照会」を行う
  2. 家庭裁判所の窓口で直接確認する

家庭裁判所に対して「相続放棄申述有無の照会手続き」を行うことで、過去に相続放棄が受理されているかどうか、およびその事件番号を調べることができます。照会には、被相続人の住民票除票や、照会者(元相続人など)の戸籍謄本などが必要になります。

事件番号が判明した後に、改めて受理証明書の交付申請を行うという流れになります。


まとめ

「相続放棄受理通知書」は再発行ができないため、大切に保管し、他人に原本を渡さないようにしてください。債権者や登記手続きなどで原本の提出を求められた場合は、家庭裁判所でいつでも再発行(新規取得)が可能な「相続放棄受理証明書」を申請して対応しましょう。

もし書類を紛失してしまい、事件番号が分からずお困りの場合や、債権者からの督促への対応に不安がある場合は、速やかに弁護士や司法書士などの専門家へ相談することをおすすめします。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人 (いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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