相続放棄の申し立てから受理通知書が届くまでの期間と流れ
故人の遺産に借金が含まれている場合など、相続放棄を検討される方は少なくありません。相続放棄を行うには、家庭裁判所へ正式な申し立てを行う必要があります。
そこで多くの方が気になるのが、「申し立てをしてから、いつになったら完了するのか」という点でしょう。結論から申し上げますと、申し立てから家庭裁判所が「相続放棄申述受理通知書」を交付するまでは、約2週間から1ヶ月程度の期間を要します。
以下では、具体的なスケジュールの目安と、手続きを進める上での注意点を分かりやすく解説します。
相続放棄の申し立てから完了までの具体的なステップ
相続放棄の手続きは、書類を提出して終わりではありません。裁判所での審査や本人確認などのプロセスを経て、初めて完了となります。具体的な流れは以下の通りです。
1. 必要書類の収集と家庭裁判所への申し立て
まずは被相続人の戸籍謄本や住民票の除票、申し立てる相続人の戸籍謄本などを集め、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ「相続放棄申述書」を提出します。
2. 家庭裁判所からの「照会書(回答書)」の到着(約1〜2週間後)
書類に不備がなければ、申し立てから1〜2週間ほどで、家庭裁判所から「照会書」および「回答書」と呼ばれる書類が郵送されてきます。
これは、本当に自分の意思で相続放棄をしたいのか、被相続人の財産をすでに使っていないかなどを確認するための質問票です。この照会書が届くまでの期間が、全体のスケジュールを大きく左右します。
3. 照会書への回答と返送
届いた照会書の質問事項に対し、事実を正確に記入し、署名・捺印の上で速やかに家庭裁判所へ返送します。ここで回答に不備や迷いがある内容があると、手続きがさらに遅れる原因となるため注意が必要です。
4. 相続放棄申述の受理と「受理通知書」の到着(約2週間〜1ヶ月後)
裁判所が回答書を確認し、問題ないと判断すれば、正式に相続放棄が「受理」されます。受理されると、自宅へ「相続放棄申述受理通知書」が郵送で届きます。この通知書が届いた時点で、法律上の相続放棄の手続きが無事に完了したことになります。
手続きをスムーズに進めるためのポイントと注意点
相続放棄には原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」という厳格な熟慮期間が設けられています。期限内に申し立てを完了させなければなりません。
期限ギリギリの申し立てには注意が必要
「3ヶ月の期限ギリギリに書類を提出すれば大丈夫だろう」と考えていると、万が一書類に不備があった場合や、裁判所からの照会書への対応に手間取っている間に期限を過ぎてしまうリスクがあります。期限に余裕を持って、早めに準備と申し立てを行うことが重要です。
受理通知書と相続放棄申述受理証明書の違い
金融機関での預貯金解約手続きや、不動産の相続登記などでは、「相続放棄申述受理通知書」ではなく、正式な証明書である「相続放棄申述受理証明書」の提出を求められるケースが一般的です。
通知書は裁判所から自動的に送られてきますが、証明書は別途、家庭裁判所へ申請して発行してもらう必要があります。手続きの用途に応じて、必要な書類を確認しておきましょう。
近年の法改正に伴う相続登記や不動産手続きの留意点
相続放棄に関連して、近年の法改正についても触れておく必要があります。2024年4月より、相続登記の申請が法定義務化されました。
相続放棄をした人は、初めから相続人ではなかったものとみなされるため、原則として不動産の相続登記義務を負うことはありません。しかし、他の相続人が相続放棄を行った結果、次順位の相続人に相続権が移り、最終的に自分が思わぬ不動産の管理義務を負うケースなども存在します。
また、2026年4月からは住所変更登記の義務化も控え、不動産の権利関係をめぐる法規制はより厳格になっています。
相続放棄は単なる書類の提出にとどまらず、その後の親族間の権利関係や財産管理に大きな影響を与えます。手続きの期間や流れを正しく把握し、不安な点がある場合は、専門家である弁護士や司法書士への相談も検討すると安心です。
📜 相続トラブル・遺産分割のお悩みは夕陽ヶ丘法律事務所へ
戸籍一括収集から不動産名義変更(登記)・遺産分割協議までワンストップ対応。
親族間の対立や複雑な手続きでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
- 初回相談料: 0円(30分無料)
- 明確な料金体系: 事前に見積提示・着手金分割相談OK
- 名義変更・不動産登記: 担当弁護士が直接対応・税理士とも連携