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実家の名義変更を「自分で法務局に行ってやる」場合の難易度とリスク

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、遺産分割・遺留分侵害額請求・相続放棄・不動産登記義務化等の相続実務経験に基づき、最新の民法および裁判所実務に沿ってわかりやすく解説しています。

親が亡くなり、実家を相続した際に「専門家に頼まず、自分で法務局に行って名義変更(相続登記)をしよう」と考える方は少なくありません。費用を抑えられるというメリットがある一方で、実務の現場では想像以上の時間や手間、そして重大なリスクが潜んでいます。

2024年4月からは相続登記の申請が義務化され、正当な理由なく放置すると過料(罰金)が科される仕組みも導入されました。さらに、2026年4月には住所変更登記の義務化も控えており、正確かつ速やかな手続きが求められます。

本記事では、実家の名義変更を自分で行う場合の難易度と、見落としがちなリスクについて詳しく解説します。

実家の名義変更を自分で行う難易度と実際の手間

Q 実家の名義変更を自分で法務局に行って行う場合、どれくらいの手間や難易度がかかりますか?
A 【手続きの全体像と難易度】出生から死亡までの戸籍収集、全員分の署名捺印が必要な遺産分割協議書の作成、法務局への申請など膨大な作業が発生します。書類に不備があれば平日に何度も法務局に通う必要があり、2024年4月からの相続登記義務化に伴う期限内対応としても非常に難易度が高い作業となります。
【リスクと専門家活用のメリット】自分で進めると私道の持ち分漏れや未登記建物の存在、協議書の不備によるトラブルリスクが高まります。確実かつスムーズに手続きを完了させ、過料(罰金)のリスクを防ぐためにも、相続問題に強い弁護士や司法書士などの専門家への依頼を強く推奨します。

相続登記をご自身で行う場合、大きく分けて「戸籍謄本の収集」「遺産分割協議書の作成」「登記申請書の作成と法務局への提出」という3つのステップを踏むことになります。

1. 戸籍謄本の収集における壁

被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を集める必要があります。転籍や結婚などを繰り返している場合、全国の自治体から何通もの戸籍を取り寄せることになり、これだけでも数週間から1ヶ月以上かかるケースが珍しくありません。

2. 遺産分割協議書の不備

相続人全員で「誰が実家を相続するか」を話し合い、全員が署名・捺印した遺産分割協議書を作成しなければなりません。書き方に少しでも不備や法的な誤りがあると、法務局で受理されず、相続人全員に再度やり直してもらう必要が生じます。

3. 法務局での書類補正と「何度も通う」手間

すべて書類を揃えて法務局に申請しても、一発で通るとは限りません。軽微な誤りや不足書類がある場合、「補正(訂正)」の連絡を受け、平日の日中に法務局へ足を運ぶことになります。仕事をしている方にとって、平日に何度も窓口に行くのは大きな負担となります。

自分で行う場合に潜む重大なリスク

ご自身で手続きを進める場合、時間的な負担だけでなく、法的・財産的な重大なリスクを見落としてしまう危険性があります。

1. 私道や「未登記建物」の漏れリスク

実家の母屋だけでなく、以下のような財産の名義変更が漏れるケースが多発しています。

  • 実家に通じる道路(私道)の持分
  • 固定資産税の課税明細書に載っていない「物置」や「離れ」などの未登記建物

これらを見落としたまま放置すると、将来その不動産を売却しようとした際に大がかりな再手続きが必要になったり、権利関係が複雑化して「負動産」として次の世代に禍根を残すことになります。

2. 最新の法改正への対応不足

近年の法改正により、不動産登記ルールは厳格化しています。 2024年4月からは、相続開始および相続を知った日から3年以内の相続登記申請が義務化されました。また、2026年4月からは住所変更登記も義務化されます。制度の理解不足や手続きの遅れにより、知らず知らずのうちに法律違反の状態になってしまうリスクがあります。

名義変更は司法書士に依頼すべきか

自分で法務局に行って手続きを行うことは不可能ではありませんが、その裏には「平日の膨大な時間拘束」「何度も法務局に通う手間」「漏れや不備によるリスク」が伴います。

特に、相続人が遠方にいる場合や、兄弟間での話し合いが難航している場合、あるいは私道や未登記建物が含まれている場合は、不動産登記の専門家である司法書士に代行を依頼するのが最も確実で安全な選択肢です。

正確かつスムーズに実家の名義変更を完了させたい方は、ぜひ一度、法律の専門事務所へご相談ください。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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