親が遺した財産の中に投資信託が含まれている場合、「元本割れを起こしているけれど、このまま相続すべきなのだろうか」と悩まれる方は少なくありません。投資信託は価格が日々変動するため、通常の預貯金とは異なる手続きや判断が求められます。
本記事では、投資信託を相続する際の手続き方法や、元本割れしている場合の対処法、そしてトラブルを防ぐためのポイントを分かりやすく解説します。
親が投資信託で元本割れ!そのまま相続する?現金化する?
親が保有していた投資信託に損失(元本割れ)が出ている場合、相続の選択肢としては主に「投資信託のまま相続人へ移管する」か「死亡日を基準として一括解約し、現金で分割する」の2つがあります。
投資信託は価格が変動する金融商品です。そのため、元本割れしている状態で焦って解約してしまうと、将来の回復チャンスを逃すことになります。一方で、相続人が複数いる場合は、不動産と同様に投資信託をそのまま分けることが難しいため、現金化したほうが遺産分割協議がスムーズに進むケースも多々あります。
それぞれのメリットや特徴を理解したうえで、相続人全員で慎重に話し合うことが重要です。
投資信託の相続における2つの主な選択肢
投資信託の相続手続きを進めるにあたり、どのような選択肢があるのかを詳しく見ていきましょう。
1. 相続人名義の証券口座へ移管する
被相続人が使っていた証券口座から、相続人の口座へ投資信託をそのまま移す方法です。
- 相場の回復を待ってから売却できる
- 投資を継続したい場合に適している
- 相続人がすでに同じ証券会社に口座を持っている必要がある(口座がない場合は新規開設が必要)
注意点として、投資信託の移管には一定の時間と複雑な書類手続きがかかる点が挙げられます。また、複数の相続人がいる場合、一つの投資信託をそのままの口数で分けることが難しいため、特定の相続人が代表して引き継ぐなどの調整が必要です。
2. 死亡日時点の評価額で一括解約し、現金分割する
証券会社に対して相続の手続きを行い、被相続人の保有する投資信託をすべて売却して現金化する方法です。
- 現金になるため、相続人同士で分けやすい(遺産分割がしやすい)
- 手続き完了後は価格変動のリスクから解放される
- 元本割れしている状態で売却すると、損失が確定してしまう
相続人間の公平性を重視する場合や、全員が現金を希望している場合は、一括解約して現金で分ける方法が最もトラブルになりにくいといえます。
元本割れしている投資信託を相続する際の注意点
投資信託を相続するにあたっては、税金や評価方法に関するいくつかの重要な注意点があります。
相続税の評価額の計算方法
投資信託の相続税評価額は、「被相続人が亡くなった日(死亡日)の基準価額」を基に算出します。亡くなった時点ですでに元本割れを起こしている場合は、その下がった時点の時価がそのまま相続税の課税対象となります。
なお、売却するまでの間に相場がさらに下落したとしても、税金の計算上は死亡日時点の評価額がベースになるため注意が必要です。
取得費の引き継ぎと税金
証券口座を移管して将来投資信託を売却する場合、被相続人が購入したときの価格(取得費)が相続人に引き継がれます。そのため、相続後に相場が回復して売却益が出た場合には、利益に対して所得税・住民税が課税されることになります。
トラブルを防ぐために!専門家への相談という選択肢
投資信託の相続は、通常の預貯金と比べて手続きが煩雑であり、証券会社とのやり取りも必要になります。特に元本割れを起こしているケースでは、「誰が損失を被るのか」「いつ売却するのか」を巡って相続人間の意見が対立するリスクもあります。
近年の法改正により、相続登記の義務化など遺産全体の整理の重要性が高まっていますが、預貯金や不動産以外の金融資産についても適切に処理しなければなりません。
もし、投資信託の扱いや遺産分割の割合で少しでも迷うことがあれば、相続問題に強い弁護士や司法書士などの専門家に相談することを強くおすすめします。適切な時価の把握から、円満な遺産分割協議のサポートまで、法的な観点から的確なアドバイスを受けることができます。
📜 相続トラブル・遺産分割のお悩みは夕陽ヶ丘法律事務所へ
戸籍一括収集から不動産名義変更(登記)・遺産分割協議までワンストップ対応。
親族間の対立や複雑な手続きでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
- 初回相談料: 0円(30分無料)
- 明確な料金体系: 事前に見積提示・着手金分割相談OK
- 名義変更・不動産登記: 担当弁護士が直接対応・税理士とも連携