親が亡くなった際、遺品整理や葬儀の準備に追われる中で、実家の固定費の引き落としがそのままになっているケースは非常に多く見られます。その代表例が、新聞代やNHK受信料などの毎月の引き落としです。
口座が凍結されるまでの間、故人の口座からこれらの支払いが自動的に続けられてしまうと、後々の遺産分割協議でトラブルの原因になることもあります。ここでは、親の死亡後に新聞代やNHK受信料の引き落としがある場合の適切な対処法について、分かりやすく解説します。
親の死亡後、新聞代やNHK受信料の引き落としはどうすべき?
親が亡くなると、銀行は死亡の事実を知った時点で口座を凍結し、原則として引き出しや引き落としが停止されます。しかし、公共料金や新聞代、NHK受信料などは、銀行が口座凍結を行う前であれば引き落としが継続されてしまいます。
故人の口座から勝手に費用が引き落とされ続けることは、他の相続人との関係で不透明な支出となり得ます。そのため、相続が発生したら、預金口座の凍結手続きと並行して、こうした定期的な契約の解約手続きを速やかに行うことが重要です。
放置するリスクと早めの解約が必要な理由
故人の口座から毎月少額の引き落としが続いている場合、「そのうち口座が止まるだろう」と放置してしまいがちです。しかし、そのまま放置することには以下のようなリスクがあります。
- 遺産分割の際に使途不明金と疑われる:生前・死後を問わず、相続人の一人だけが故人の口座から支出を続けていると、遺産を勝手に使ったのではないかと誤解される原因になります。
- 過払い金の回収の手間が増える:死亡日以降に引き落とされた金額は本来支払う必要のないお金であるため、後から返金の手続きをする必要が生じます。
したがって、余計なトラブルを防ぐためにも、死亡後速やかに契約解除と返金の手続きを進めることが賢明です。
新聞代・NHK受信料の具体的な解除手順
契約を解除し、過払い金を取り戻すための具体的な手順は以下の通りです。手順に沿って確実に対応しましょう。
1. 契約会社への連絡と「死亡診断書のコピー」の準備
まずは、新聞販売店やNHKの窓口へ電話やインターネットで連絡し、契約者が亡くなった旨を伝えます。その際、多くの事業者で死亡の事実を証明する書類の提出が求められます。
一般的には、以下の書類が証明として利用できます。
- 死亡診断書のコピー
- 死体検案書のコピー
- 除籍謄本のコピー(※事業者による)
あらかじめ死亡診断書のコピーを手元に用意しておくと、その後の手続きをスムーズに進めることができます。
2. 契約解除日の決定と過払い受信料の返金請求
契約の解除日は、原則として「親が亡くなった日(死亡日)」となります。
例えば、4月10日に亡くなった場合、4月分の新聞代やNHK受信料は発生しますが、5月分以降の料金は「過払い」となります。もし5月や6月に引き落としがされてしまっていた場合、死亡日以降に支払った分の返金を受ける権利があります。
返金の具体的な方法は事業者によって異なりますが、主に以下のいずれかとなります。
- 故人の口座への返金(※すでに口座が凍結されている場合は受け取りが難しくなるため注意が必要です)
- 相続人の指定口座への振込、または現金書留による返金
口座がすでに凍結されている場合は、相続人代表者の口座に振り込んでもらうよう交渉することになります。その際、相続人であることを証明するための戸籍謄本などの書類の提出を求められることが一般的です。
相続手続きにおける注意点とアドバイス
親の死後は、新聞代やNHK受信料の解約以外にも、電気・ガス・水道などのライフライン、インターネット回線やクレジットカードなど、多岐にわたる契約の整理が必要です。
2024年からは相続登記の申請が義務化されるなど、不動産や預貯金を含む相続手続き全般の重要性が高まっています。故人の財産管理や契約解除において少しでも不安がある場合や、他の相続人との間で意見が食い違うような場合は、早い段階で弁護士などの専門家にご相談されることを強くおすすめします。
適切な手順を踏んで一つひとつの契約をクリアにし、円満かつスムーズな相続を実現させましょう。
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