親が亡くなると、悲しみに浸る間もなく、さまざまな手続きに追われることになります。その際、故人の死亡を証明する書類として絶対に必要になるのが「死亡診断書(または死体検案書)」です。
死亡診断書は、病院や医師から受け取りますが、手続きの多さを考えると「何枚くらい用意しておくべきか」と悩む方が少なくありません。ここでは、スムーズに相続手続きを進めるための必要枚数や、注意すべきポイントについて詳しく解説します。
親の死亡診断書は何枚取得するべきか?
死亡診断書(病院で亡くなった場合は「死亡診断書」、事故死や変死などの場合は警察が関与し「死体検案書」と呼ばれます)は、右側が「死亡届」、左側が「死亡診断書」という1枚の用紙になっています。
この書類は、市区町村役所へ「死亡届」を提出する際に必ず原本を1枚提出しなければなりません。そのため、何もしなければ手元には1枚も残らなくなってしまいます。
手続きを効率よく進めるためには、最初から5〜10枚程度のまとまった枚数の原本(または追加発行)を取得しておくことが非常に重要です。
なぜ複数の原本が必要になるのか
死亡診断書(死体検案書)のコピーで代用できる手続きもありますが、多くの金融機関や保険会社では、「死亡診断書の原本」または「市区町村長が発行する死亡診断書のコピー(記載事項証明書)」の提出を求められます。
特に、以下のような手続きが同時並行で発生するため、手元に原本が1枚しかないと、一つの手続きが終わるまで次の手続きに進めず、全体的な完了が大きく遅れてしまいます。
- 銀行や証券会社の口座凍結解除および相続手続き
- 生命保険金の請求
- 故人の勤務先への死亡報告と退職金・給与の請求
- 不動産の相続登記(※必要に応じて添付するケースがあります)
死亡診断書の取得方法と費用に関する注意点
死亡診断書を手に入れるタイミングは、親御さんが亡くなられた場所によって異なります。病院で亡くなった場合は主治医から受け取り、自宅や救急搬送先などで亡くなった場合は警察の検視等を経て「死体検案書」として交付されます。
追加発行の手続きと費用
死亡診断書の原本を複数枚ほしい場合、病院や医師に依頼して最初から複数枚書いてもらうか、後から追加で発行してもらうことになります。
- 費用の目安:病院によって異なりますが、1通あたり数千円〜1万円程度文書料としてかかります。
- 追加の可否:基本的には後からの追加発行も可能ですが、病院によっては「最初から必要枚数を伝えておいた方がスムーズ」な場合もあります。
死亡診断書の代わりに、役所で「死亡診断書(死体検案書)記載事項証明書」を取得する方法もあります。これは死亡届を提出した後に、役所で保管されている死亡診断書の記載内容を証明してもらう書類です。こちらも1通につき数百円の手数料で取得できます。
ただし、役所でこの証明書を取得できるまでには、死亡届を出してから数日〜数週間かかることがあるため、急ぎの場合は病院で多めに原本をもらっておく方が確実です。
スムーズに相続手続きを進めるためのポイント
死亡診断書の確保は、相続手続きの第一歩にすぎません。親の死亡後は、戸籍謄本の収集や遺産分割協議、そして近年義務化された「相続登記」など、多くの法的な手続きが待ち受けています。
特に不動産を所有していた場合、2024年4月からは相続登記の申請が法律上の義務となり、期限内に手続きを行わないと過料の対象となるリスクがあります。また、2026年4月からは住所変更登記の義務化もスタートするなど、不動産まわりの法改正は厳格化の一途をたどっています。
限られた時間の中で、銀行口座の解約や保険金の請求、さらには不動産の相続手続きを滞りなく進めるためには、初動の準備が何よりも肝心です。
死亡診断書をあらかじめ5〜10枚程度確保しておくことで、各機関での手続きを並行して進めることができ、遺族の負担を大幅に軽減させることができます。故人のお見送りと並行して、書類の準備についても計画的に進めていきましょう。
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