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親が「マイル(JAL・ANA)」を10万マイル残して死亡。
家族に移管できる?

【この記事の監修者】

井上 正人 弁護士(大阪弁護士会所属 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表)

家族が亡くなった際、預貯金や不動産だけでなく、航空会社のマイルが残されているケースが増えています。日々貯めた大切なマイルが無駄になってしまうのではないかと心配される方も多いでしょう。

結論から申し上げますと、JAL(日本航空)やANA(全日本空輸)をはじめとする多くの航空会社では、マイルの相続を認めています。ただし、自動的に引き継がれるわけではなく、法定相続人が所定の手続きを行う必要があります

この記事では、故人が残したマイルを家族に移管するための具体的な手順や注意点について、法律と規約の観点からわかりやすく解説します。

故人のマイルは相続できる?JAL・ANAの基本方針

Q 親が残したJALやANAのマイルは、家族に移管・相続できますか?
A はい、JALやANAともにマイルの相続(移管)を認めています。ただし、自動的には引き継がれないため、法定相続人が必要書類を揃えて航空会社に申請手続きを行う必要があります。

一般的に、航空会社のマイル会員規約では、会員本人の死亡によりマイルの権利は消滅すると定められています。しかし、JALおよびANAでは、遺族救済の観点から例外的に法定相続人へのマイルの払い戻し・移管を認めています

例えば、10万マイルが残されている場合、これは東京・ハワイ間の往復ビジネスクラス特典航空券にほぼ相当する大きな資産価値があります。泣く泣く諦めてしまう前に、正しい手順で手続きを行いましょう。

相続できる対象者と条件

マイルの相続手続きを行うためには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 故人の法定相続人であること
  • 相続人自身がJALまたはANAのマイレージ会員であること(または新規に入会すること)
  • 航空会社が指定する期限内に申請を行うこと

配偶者や子などの法定相続人であれば、誰でもマイルを引き継ぐ権利があります。ただし、相続人以外の親族(内縁の配偶者や孫で代襲相続人でない場合など)は、原則として対象外となるため注意が必要です。

JAL・ANAのマイル移管手続きの流れと必要書類

マイルを相続・移管するための具体的なステップを解説します。手続きは航空会社によって多少異なりますが、基本的な流れは共通しています。

1. 相続人名義のマイレージ口座の用意

まずは、マイルを受け取る相続人自身が、JALまたはANAのマイレージ会員であることが必須です。まだ口座を持っていない場合は、事前に新規入会を済ませておきましょう。

2. カスタマーセンターへの連絡と書類の取り寄せ

各航空会社のマイレージサービス事務局や、専用のサポートデスクへ連絡し、会員が死亡した旨を伝えます。すると、「マイル口座の相続(払戻)に関する申込書」などの必要書類が郵送またはダウンロード形式で提供されます。

3. 必要書類の準備と提出

一般的に、マイルの相続手続きには以下の書類が求められます。

  • 航空会社所定の相続申込書
  • 故人の死亡事実が確認できる戸籍謄本(または除籍謄本)
  • 相続人と故人の関係を示す戸籍謄本類(出生から死亡までの連続した戸籍)
  • 相続人の本人確認書類のコピー
  • 遺産分割協議書(相続人全員の同意が必要な場合や、相続人が複数いる場合)

特に、誰がマイルを取得するのかについて相続人全員の合意が必要になるケースがあります。10万マイルというまとまった資産をめぐって後々トラブルにならないよう、他の相続人の同意を得ておくことが大切です。

マイルを相続する際の重要な注意点

マイルの相続手続きを進めるにあたり、見落としがちな注意点をいくつかご紹介します。

有効期限に注意する

JALやANAのマイルには、通常獲得から3年間の有効期限があります。故人が亡くなった時点で有効期限が迫っているマイルは、相続手続きをしている間に失効してしまうリスクがあります。

相続の手続き中であっても、有効期限の延長特例などは原則として適用されないため、迅速に書類を揃えて申請を行うことが極めて重要です。

不動産などの他の相続手続きとの違い

2024年からの相続登記義務化や、2026年4月にスタートする住所変更登記の義務化など、昨今の法改正では不動産手続きの厳格化が目立ちます。これらに比べると、マイレージの相続は航空会社の規約に基づく私法上の手続きとなります。

しかし、遺産分割の対象となる財産の一部であることに変わりはありません。他の相続人との間で「誰がこのマイルを取得するか」を明確にしておかないと、後々の遺産トラブルに発展する可能性もあるため注意が必要です。

故人のアカウントは必ず閉鎖される

マイルの移管手続きが完了すると、故人のマイレージ口座は閉鎖(退会処理)されます。思い出の詰まったアカウントを残しておきたい気持ちもあるかとは思いますが、残余マイルを移管した後は自動的に閉鎖される仕組みになっています。

まとめ:諦めずに正しく手続きを行おう

親が遺した10万マイルは、旅行好きの方にとっては非常に価値のある財産です。「航空会社のものになってしまうから仕方ない」と諦めてしまう前に、まずはJALやANAのサポートデスクに問い合わせてみましょう

正確な戸籍謄本等の収集や、相続人全員の同意を得るなど、多少の手間はかかりますが、ルールに則って正しく申請すれば、ご家族の口座へとマイルを移行させることができます。故人の残してくれた大切な資産を有効に活用してください。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人 (いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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