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祖父の遺産を「孫」に相続させることはできる?
直接引き継ぐための2つの方法

【この記事の監修者】

井上 正人 弁護士(大阪弁護士会所属 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表)

孫は直接の相続人になれるのか?

Q 祖父が亡くなった場合、孫は遺産を相続できますか?
A 原則として、孫は法定相続人ではありません(代襲相続を除く)。しかし、「遺言書による遺贈」や「養子縁組」を活用することで、直接遺産を引き継がせることが可能です。

可愛い孫に対して、「自分の財産を直接残してあげたい」「学費やマイホーム資金の足しにしてほしい」と考える方は少なくありません。しかし、日本の民法では法定相続人の順位が厳格に定められており、第一順位は「子ども」です。子どもが存命である限り、原則として「孫」には相続権がありません。

例外として、親(被相続人の子)がすでに亡くなっている場合には「代襲相続」が発生し、孫が代わりに相続人となりますが、親が生きている状態で孫に財産を残すには、生前からの法的な対策が必要になります。

代襲相続以外で孫に財産を残す理由

子どもを飛ばして孫に財産を渡すことには、心理的な理由だけでなく、「相続税の負担を軽減する(一代飛ばしによる課税回数の減少)」という目的もよく挙げられます。孫に直接財産を引き継がせるための代表的な2つの方法について解説します。

方法1:遺言書で孫に「遺贈」する

最もシンプルで確実な方法は、生前に遺言書を作成し、「孫の○○に△△の財産を遺贈する」と書き残すことです。法定相続人以外の人に遺言によって財産を無償で譲ることを「遺贈(いぞう)」と呼びます。

遺贈のメリット

遺言書を作成するだけで実行できるため、孫本人の同意や煩雑な手続きが不要です。自分の意思だけで「どの孫に、どの財産を、どれだけ渡すか」を自由に決めることができます。特定の孫にだけ財産を残したい場合や、不動産など特定の財産を指定して渡したい場合に非常に有効です。

遺贈のデメリット・注意点

孫への遺贈は、本来財産を受け取るはずだった子ども(法定相続人)の取り分を減らすことになります。そのため、「遺留分(いりゅうぶん:一定の相続人に最低限保障された取り分)」を侵害してしまうと、死後に子どもと孫の間でトラブル(遺留分侵害額請求)に発展するリスクがあります。 また、孫は法定相続人ではないため、相続税がかかる場合には税額が「2割加算」されるという税務上のデメリットにも注意が必要です。

方法2:孫と「養子縁組」をする

もう一つの方法は、生前に孫と「養子縁組」を行うことです。養子縁組によって法律上の親子関係を結ぶことで、孫は「実子」と同じ扱いの第一順位の法定相続人となります。

養子縁組のメリット

孫が法定相続人になるため、基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を計算する際の「法定相続人の数」が1人増え、相続税の非課税枠が広がるというメリットがあります。また、養子になった孫には遺留分も認められるため、より強固な権利を持たせることができます。

養子縁組のデメリット・注意点

養子縁組を行うには当事者双方(孫が未成年の場合は親権者)の同意と役所への届け出が必要です。また、他の子どもたちから見れば、突然相続人が増えて自分の法定相続分が減ることを意味するため、事前の説明がないと親族間の感情的な対立を招く恐れがあります。 なお、孫を養子にした場合でも、相続税の「2割加算」の対象からは外れません(代襲相続人でもある場合を除く)ので、税務上の効果については慎重なシミュレーションが必要です。

不動産を孫に引き継がせる場合の注意点

孫に実家や土地などの不動産を残したい場合は、法改正の動向にも注意が必要です。

相続登記の義務化と所有不動産記録証明制度

2024年(令和6年)4月1日から相続登記が義務化され、不動産を取得したことを知った日から3年以内の登記が必須となりました(違反すると過料の対象)。孫へ遺贈した場合や養子縁組によって相続させた場合でも、速やかに名義変更を行わなければなりません。 また、2026年(令和8年)4月からは所有者の氏名や住所の変更登記も義務化されます。不動産を所有する責任は年々重くなっているため、単に財産を渡すだけでなく、不動産の維持管理や名義変更の手続きについて、事前に家族間でしっかりと共有しておくことが重要です。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人 (いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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