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税務署から「お尋ね(相続税の申告要否のご案内)」が届いた時の回答書

【この記事の監修者】

井上 正人 弁護士(大阪弁護士会所属 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表)

税務署から「相続税の申告要否のご案内」が届いたらどうするべき?

Q 税務署から「相続税の申告要否のご案内(お尋ね)」が届きました。遺産総額が基礎控除額以下で申告不要の場合でも、必ず回答書を提出しなければなりませんか?
A 法的義務ではありませんが、無用な税務調査や誤解を防ぐためにも、必ず期限内に必要事項を記入して返送するべきです。申告不要である旨を正確に記載し、トラブルを防ぎましょう。

故人が亡くなった後、税務署から突然「相続税の申告要否のご案内(通称:お尋ね)」という封筒が届き、戸惑われる方が少なくありません。この書類は、税務署が保有する不動産情報や過去の所得情報などから、一定以上の遺産がある可能性が高いと推測される家庭へ向けて送付されるものです。

もし遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)の枠内であり、相続税の申告が不要である場合でも、届いた「お尋ね」をそのまま放置してはいけません。適切な書き方で回答書を作成し、期限内に提出することが重要です。

「お尋ね」を無視・放置した場合のリスクとは

「うちは基礎控除以下だから関係ない」「ただのアンケートだから無視してもいいだろう」と、税務署からの通知を放置してしまう方がいらっしゃいますが、これは非常に危険な行為です。

回答書を提出しないままでいると、税務署側は「申告が必要な財産を隠しているのではないか」「期限に遅れている悪質なケースではないか」と疑念を抱くようになります。その結果、以下のようなリスクが生じる可能性が高まります。

  • 正式な税務調査のターゲットに選ばれやすくなる
  • 突然、自宅や実家に税務調査官が調査に訪れる
  • 実際には申告が必要だった場合、無申告加算税や延滞税といった重いペナルティが課される

税務署からの「お尋ね」は法的強制力を持つ申告書そのものではありませんが、税務署との良好なコミュニケーションツールと捉え、誠実に対応することがご自身の身を守る最善の方法となります。

申告不要枠内である場合の回答書の書き方と手順

遺産の総額が基礎控除額を下回っており、相続税の申告が不要であると確信している場合は、同封されている回答書に必要事項を正確に記入して返送します。以下のステップに沿って進めましょう。

1. 相続財産の総額を正確に計算する

まずは故人の財産をもう一度しっかりと洗い出します。

  • 現金、預貯金(過去の通帳履歴も確認)
  • 不動産(土地・建物)
  • 株式、投資信託などの有価証券
  • 死亡保険金や死亡退職金(非課税枠の控除を考慮する)
  • 生前贈与された財産(相続開始前3年〜7年以内のもの)

これらの合計額が基礎控除額を下回っていることを改めて確認します。不動産の評価額などで迷う場合は、専門家に相談することをおすすめします。

2. 回答書の該当箇所に記入する

回答書には、故人の情報や相続人の代表者の連絡先などを記入する欄があります。「申告の要否」を問う項目では、「申告は不要である」という選択肢やチェックボックスに印を付けます。

また、財産の内訳や計算過程を記入する欄が設けられている場合は、預貯金の残高や不動産の概算評価額などを正確に記載してください。ここであいまいな書き方をすると、後から確認の連絡が入ることがあります。

3. 期限内に切手を貼って郵送する

税務署から指定された提出期限(通常は通知書発送後から数週間〜1ヶ月程度)に遅れないよう、余裕を持ってポストに投函しましょう。

不動産がある場合の注意点と最新の法改正

「お尋ね」の回答書を作成する際、特に注意が必要なのが不動産の評価です。故人が自宅や土地を所有していた場合、その評価額の算出方法によって遺産総額が基礎控除の前後を行き来することがあります。

また、相続に関連する法改正への理解も欠かせません。

  • 2024年4月から相続登記が義務化され、不動産の名義変更を放置すると罰則の対象となります。
  • 2026年4月からは住所変更登記の義務化も控えており、相続手続きと所有権の明確化はより一層厳格に管理されるようになっています。

「お尋ね」の回答を機に、不動産の所有状況や名義についても整理しておくことが、将来的なトラブルを防ぐ大きなポイントとなります。

正確な判断に迷ったら専門家への相談を

税務署から届いた「お尋ね」に対して、自分で計算して「申告不要」と判断することに不安を感じる方は少なくありません。特に、以下のようなケースに該当する場合は注意が必要です。

  • 自宅の土地が広く、小規模宅地等の特例を適用すべきか判断がつかない
  • 故人の預金から生前に引き出されたお金(名義預金など)があり、財産に含めるべきか悩む
  • 相続人同士で遺産の分け方がまとまっておらず、正確な財産額が把握できていない

このような状況で無理に自己判断して回答書を出し、後から申告漏れが発覚すると、修正申告の手間だけでなく余計な税金を支払うリスクが生じます。

相続税の申告要否や「お尋ね」の対応に少しでも不安がある場合は、相続税を専門とする税理士などの法律・税務のプロフェッショナルに早めに相談することを強く推奨します。正確な財産評価と適切なアドバイスを受けることで、税務署からの心労を軽減し、安心安全に相続手続きを完了させることができます。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人 (いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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