お電話での無料相談 (平日10時~18時) 06-6773-9114
🔍 検索 無料相談を予約する

相続人の中に「意思疎通が不可能な精神障害者」がいる場合の後見人

【この記事の監修者】

井上 正人 弁護士(大阪弁護士会所属 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表)

ご家族に相続が発生した際、遺産分割協議を行わなければなりません。しかし、相続人の中に認知症や重度の精神障害などにより「意思疎通が不可能な方」が含まれている場合、通常の遺産分割協議を進めることは法律上できません。

本記事では、そのようなケースで必要となる「成年後見制度」の仕組みと、後見人が代理人として遺産分割協議に参加する際の手続きについて、わかりやすく解説します。

意思疎通のできない相続人がいる場合の遺産分割協議と後見人

Q 意思疎通できない相続人がいると、なぜ遺産分割協議ができないのですか?
A 遺産分割協議は、相続人全員の合意があって初めて有効となるためです。判断能力がない状態で行った協議は無効になってしまうため、家庭裁判所で選任された代理人(成年後見人等)が本人の代わりに協議に参加する必要があります。

相続人の中に意思疎通が不可能な方がいる場合、その人が一人で遺産分割の内容を理解し、同意することは不可能です。法律の知識がないまま無理に署名・捺印をさせたり、本人の意思を確認せずに作成した遺産分割協議書は無効と判断されます。

そのため、このようなケースでは、家庭裁判所に申し立てを行って成年後見人を選任してもらう必要があります。後見人が本人の代理人として、他の相続人と遺産分割協議を行うことで、法的に有効な手続きを進めることができるようになります。

なぜ「親族の代理」だけでは不十分なのか

「自分が親や兄弟の面倒を見ているから、家族である自分が代理をして協議を進めたい」と考える方は少なくありません。しかし、たとえ身内であっても、家庭裁判所による正式な選任がない状態で本人を代理することは認められていません。

また、相続人同士の中に利害の対立が生じることもあります。例えば、面倒を見ている家族が「自分の取り分を多くしたい」と主張する場合、意思疎通の難しい本人の利益が損なわれる危険性があります。そのため、本人の権利を守るために、第三者的な視点を持つ公平な成年後見人の選任が必要となるのです。

成年後見人選任の流れと遺産分割協議の進め方

成年後見制度を利用し、実際に遺産分割協議を完了させるまでの具体的な流れについて解説します。手続きには一定の期間と専門的な書類準備が必要です。

家庭裁判所への申し立て手続き

成年後見人を選任してもらうためには、本人の住所地を管轄する家庭裁判所へ申し立てを行います。

申し立ての主な手順と必要書類は以下の通りです。

  • 申し立て書類の作成(申立書、親族関係図、財産目録など)
  • 本人の戸籍謄本や住民票、診断書(医師による鑑定が必要になる場合もあります)
  • 申立人および候補者の戸籍謄本や住民票
  • 審尋(家庭裁判所の裁判官や調査官による事情聴取)

申し立てから実際に後見人が選任されるまでは、通常数ヶ月程度の期間がかかります。不動産の売却や預貯金の解約など、相続手続きを急ぐ事情がある場合でも、この期間を考慮して早めに準備を始めることが重要です。

後見人が参加する遺産分割協議の注意点

無事に成年後見人が選任されたら、その后見人を交えて遺産分割協議を行います。ここで特に注意しなければならないのが、「本人の法定相続分を確保しなければならない」という点です。

  • 成年後見人は、あくまで「本人の財産を守るため」に存在します。
  • そのため、他の相続人が「自宅を相続したいので、障害のある相続人は遺産を放棄してほしい」と主張しても、後見人がそれを無条件で受け入れることは原則できません。
  • 原則として、法律で定められた法定相続分相当の財産(現金など)を本人が取得する内容でなければ、家庭裁判所や後見人から承認が得られないケースがほとんどです。

例外的に、本人の将来の生活費や医療費を確保するために必要な分割であれば認められることもありますが、他の相続人が自分の都合だけで本人の取り分を減らすことは極めて困難です。

近年の法改正と最新の相続手続きにおける注意点

相続手続きをスムーズに進めるためには、近年相次いで施行されている重要な法改正についても正しく把握しておく必要があります。

相続登記の義務化に伴う迅速な対応

2024年4月1日から「相続登記の義務化」がスタートしています。これにより、不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記申請を行うことが法律上の義務となりました。

意思疎通が不可能な相続人がいる場合、後見人の選任手続きに時間がかかるため、「3年以内」という期限に間に合わなくなるリスクが高まります。期限内に登記を行わないと、10万円以下の過料の対象となる恐れがあるため注意が必要です。

住所変更登記の義務化と所有不動産記録証明制度

さらに、2026年4月からは「住所変更登記の義務化」も施行される予定です。引っ越し等で住所が変わった場合、変更があった日から2年以内に変更登記を行わなければなりません。

また、日本全国にある被相続人の不動産をもれなく把握するために、新たに「所有不動産記録証明制度」が導入されています。これにより、故人がどこにどのような不動産を所有していたのかを一覧で証明書として取得できるようになり、調査の負担が大幅に軽減されます。

意思疎通が困難な相続人がいる場合の遺産分割は、後見人の選任や法律上の制約が絡むため、一般の方だけで解決しようとすると膨大な時間と労力がかかります。正確かつ円滑に手続きを進めるためにも、相続問題や成年後見制度に精通した専門家への相談を強くおすすめします。

📜 相続トラブル・遺産分割のお悩みは夕陽ヶ丘法律事務所へ

戸籍一括収集から不動産名義変更(登記)・遺産分割協議までワンストップ対応。
親族間の対立や複雑な手続きでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

【夕陽ヶ丘法律事務所の安心対応】
  • 初回相談料: 0円(30分無料)
  • 明確な料金体系: 事前に見積提示・着手金分割相談OK
  • 名義変更・不動産登記: 担当弁護士が直接対応・税理士とも連携
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人 (いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

この記事に関するご相談はこちら

専門の弁護士があなたのお悩みを解決へ導きます。
まずはお気軽にお問い合わせください。

【日本全国対応・ご来所不要】LINE・お電話で手続完結
初回相談30分無料(※事案により異なる場合があります)
ご相談だけで終了しても費用は一切かかりません

LINEで今すぐ無料相談・24時間WEB予約

お電話での無料相談予約

📞 06-6773-9114 ✉️ メールで無料相談する
電話で詳しく聞く 📞 フォームから予約 📧
TOP
LINE相談
無料相談