お電話での無料相談 (平日10時~18時) 06-6773-9114
LINE無料相談 無料相談予約

被相続人が「他人の連帯保証人」になっていた場合の保証債務の相続

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、遺産分割・遺留分侵害額請求・相続放棄・不動産登記義務化等の相続実務経験に基づき、最新の民法および裁判所実務に沿ってわかりやすく解説しています。

亡くなった方(被相続人)の遺産を整理している際、「他人の借金の連帯保証人になっていた」という事実が発覚し、不安に陥る相続人は少なくありません。保証人や連帯保証人の地位は、原則として相続の対象となります。適切な対応をとらなければ、相続人が多額の借金を背負うリスクがあります。本記事では、保証債務の相続に関する法的ルールと、相続人が取るべき具体的な対応策について分かりやすく解説します。

被相続人の連帯保証人としての地位は相続されるのか?

Q 被相続人が他人の借金の連帯保証人だった場合、その保証債務は相続人に引き継がれてしまうのでしょうか?
A 【結論】被相続人が負っていた連帯保証人の地位や保証債務は、原則としてすべて相続人に引き継がれます。預貯金などのプラスの財産だけでなく、借金や保証債務といったマイナスの財産も相続の対象となるため、何もしなければ相続人が多額の返済義務をそのまま背負うことになります。
【対策と注意点】主債務者の返済状況を確認し、多額の債務を背負うリスクがある場合は、相続放棄限定承認を検討する必要があります。これらには原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月以内」という厳格な期限があるため、速やかに弁護士等の専門家に相談することをおすすめします。

被相続人が生前に負っていた財産上の権利や義務は、原則としてすべて相続人に引き継がれます。これには預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金や保証債務といったマイナスの財産も含まれます。

したがって、被相続人が友人や知人、あるいは過去に経営していた会社の事業資金などの「連帯保証人」であった場合、その地位は相続人に当然に承継されます。

連帯保証人と通常の保証人の違い

保証債務を相続する際、その債務が「通常の保証」か「連帯保証」かによって重みが異なりますが、実務上ほとんどのケースで「連帯保証」に設定されています。 連帯保証人の場合、主債務者(お金を借りた本人)が返済できなくなったときに、債権者から請求があれば、全額を直ちに支払う義務が発生します。主債務者が行方不明であったり資力に乏しかったりする場合、相続人は非常に重いリスクを抱えることになります。

保証債務の範囲と「極度額」のルール

なお、賃貸借契約などの継続的な取引に関する保証(身元保証や賃貸借の連帯保証など)については、法改正により「極度額(上限額)」の定めがない個人保証は無効とされています。 また、2020年4月以降に締結された契約においては、極度額の定めが必須です。したがって、相続人が引き継ぐ保証債務の上限は、契約書に記載された極度額が限度となります。

主債務者の返済状況を確認する方法

連帯保証人の地位を相続するかどうかを判断するためには、まず「主債務者が現在どのように借金を返済しているか」を正確に把握する必要があります。主債務者が滞りなく返済を続けているのであれば、直ちに金銭的な負担が生じるわけではありません。

主債務者の状況を確認するためには、以下のステップを踏むことが重要です。

  • 遺品の中から金銭消費貸借契約書や保証契約書、督促状などを探し出す
  • 信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター)に被相続人の信用情報の開示請求を行う
  • 債権者(銀行や金融機関など)に対して残債務の額や主債務者の返済状況を問い合わせる

もし主債務者がすでに返済を滞らせている場合や、破産状態にある場合は、相続人が多額の債務を肩代わりしなければならない危険性が極めて高くなります。そのため、早急に次の判断を下さなければなりません。

相続人が取るべき3つの選択肢と判断基準

被相続人に保証債務があることが判明した場合、相続人には主に3つの法的な選択肢が用意されています。相続を知った日から原則として3ヶ月以内(熟慮期間)に方針を決定する必要があります。

  • 単純承認:プラスの財産もマイナスの財産(保証債務含む)のすべてを無条件で相続する
  • 相続放棄:プラスもマイナスも含めて一切の財産を相続せず、初めから相続人ではなかったことにする
  • 限定承認:プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を弁済し、残れば取得する(相続人全員で共同して行う必要がある)

相続放棄が最善の選択肢となるケース

主債務者の返済能力がなく、かつ保証債務の金額が莫大である場合、多くのケースで「相続放棄」が選択されます。 相続放棄を家庭裁判所に申し立てて受理されれば、初めから相続人ではなかったことになるため、連帯保証債務を引き継ぐ必要はなくなります。

ただし、注意しなければならない点として、連帯保証債務を免れるために相続放棄をすると、被相続人の自宅や預貯金といったプラスの財産も一切受け取れなくなります。相続財産全体のバランスを見極めた上で判断することが不可欠です。

不動産を相続する場合の注意点(2024年法改正関連)

なお、被相続人が自宅不動産などを所有しており、それを相続した後に「実は連帯保証人だった」と発覚した場合、すでに単純承認が成立していると原則として相続放棄はできなくなります。 また、2024年4月からは相続登記の申請が義務化されており、不動産を放置していると過料の対象となるリスクもあります。遺産相続の手続きを進める前には、必ず債務の有無を網羅的に調査することが重要です。

まとめ:判断に迷ったら専門家への相談を

被相続人が「他人の連帯保証人」になっていたという事実は、相続人にとって大きな精神的・金銭的負担となります。保証債務は放置すると突然一括請求を受けるリスクがあるため、迅速かつ正確な状況把握が求められます。

主債務者の返済状況の確認や、相続放棄・限定承認の手続きの期限管理など、法的な判断を一人で行うのは困難な場合も少なくありません。少しでも不安がある場合は、相続問題に強い弁護士などの専門家に早めにご相談ください。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

この記事に関するご相談はこちら

専門の弁護士があなたのお悩みを
解決へ導きます。
まずはお気軽にLINEよりご相談ください。

【日本全国対応・ご来所不要】
LINE・お電話で手続完結

初回相談30分無料
(※事案により異なる場合があります)
ご相談だけで終了しても費用は一切かかりません

LINEで無料相談(24時間受付)
電話で詳しく聞く 📞 フォームから予約 📧
TOP
LINE相談
無料相談