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遺言書にはどんな種類がある?
自筆証書遺言と公正証書遺言のメリット比較

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、遺産分割・遺留分侵害額請求・相続放棄・不動産登記義務化等の相続実務経験に基づき、最新の民法および裁判所実務に沿ってわかりやすく解説しています。

大切な方が亡くなった後、遺されたご家族がスムーズに手続きを進めるために、生前の遺言書作成は非常に有効な手段です。しかし、「どのような形式で書けばいいのか」「自分にはどの遺言書が合っているのか」と悩まれる方も少なくありません。遺言書にはいくつかの種類がありますが、一般的には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」の2つがよく利用されています。

それぞれの特徴や違いを正しく理解し、ご自身の状況や目的に合った方法を選択することが大切です。本記事では、2つの遺言書のメリット・デメリットを費用の面や法的な確実性などから徹底的に比較し、分かりやすく解説します。

遺言書の種類とそれぞれの特徴

Q 自筆証書遺言と公正証書遺言はどちらを選ぶべき?費用や検認手続きの違いは何ですか?
A 【法律上の違いと要点】自筆証書遺言は費用をかけずに自分で作成できるものの家庭裁判所での検認手続きが必須であり、要件不備による無効リスクも存在します。一方、公正証書遺言は公証役場での費用と証人2人の手配が必要ですが、検認が不要で改ざんや無効のリスクが極めて低い点が大きな特徴です。
【対策と弁護士活用のメリット】確実な遺言執行や不動産の円滑な登記手続きを希望する場合は、法的な不備を防げる公正証書遺言が推奨されます。ご自身の資産状況や目的に合わせた最適な選択について、相続問題に精通した弁護士や法律事務所へ事前に相談することをおすすめします。

遺言書は法律で厳格な方式が定められており、要件を満たさないものは無効になってしまいます。主に利用されるのは、自分で紙とペンを使って書く「自筆証書遺言」と、公証人に作成してもらう「公正証書遺言」の2種類です。

なお、近年では法務局が遺言書を保管してくれる「自筆証書遺言書保管制度」も利用できるようになり、以前よりも自筆のハードルが下がっています。それぞれの仕組みを詳しく見ていきましょう。

自筆証書遺言のメリット・デメリット

自筆証書遺言は、遺言者が自分で本文の全文、日付、氏名を自署し、押印して作成する遺言書です。

メリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 費用がほとんどかからない(紙代やペン代程度で作成可能)
  • いつでも自分のタイミングで手軽に作成・変更ができる
  • 内容を誰にも知られずに秘密裏に作成できる

一方で、デメリットや注意点も多く存在します。

  • 形式不備により無効になるリスクがある
  • 相続開始後に家庭裁判所での「検認手続き」が必要となる
  • 紛失や、発見者による改ざん・破棄の危険性がある

公正証書遺言のメリット・デメリット

公正証書遺言は、遺言者が公証役場に出向き、公証人の前で遺言の内容を口授し、公証人がそれを筆記して作成する形式です。証人2人以上の立ち会いも必須となります。

メリットには以下のような強力なものがあります。

  • 公証人が関与するため、形式不備で無効になるリスクが極めて低い
  • 原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配がない
  • 相続開始後の家庭裁判所の検認手続きが不要で、すぐに手続きへ進める

デメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 公証役場に支払う作成費用(手数料)がかかる
  • 証人2人を確保する必要がある(弁護士や司法書士に依頼することも可能)
  • 必要書類の収集や公証人との事前打ち合わせに手間がかかる

費用・改ざん防止・検認手続きの徹底比較

遺言書を選ぶ際、多くの人が「費用」「安全性(改ざん防止)」「手続の手間(検認)」の3点を比較して判断します。それぞれのポイントについて詳しく比較してみましょう。

1. 作成にかかる費用の違い

自筆証書遺言を自宅で保管する場合、実質的な費用はほぼゼロです。ただし、法務局の保管制度を利用する場合は1通につき3,900円の手数料がかかります。 これに対し、公正証書遺言は、遺言の目的となる財産の価額に応じて公証人手数料法に基づいた数万円から十数万円程度の費用が発生します。しかし、確実性や将来の紛争予防を考慮すると、この費用は適正な投資といえます。

2. 改ざん防止と安全性の違い

自筆証書遺言は、自宅の引き出しなどに保管しておくと、相続人によって隠蔽や改ざん、破棄されるリスクがゼロではありません。法務局の保管制度を利用すればこのリスクは回避できますが、財産目録の書き方など細かなルールを守る必要があります。 公正証書遺言であれば、原本が公証役場に厳重に保管されるため、偽造や改ざんの心配が完全に排除されます。

3. 検認手続きの有無

相続が発生した際、最も大きな違いとなるのが「検認手続きの有無」です。自筆証書遺言(法務局保管を除く)の場合、相続人は遺言書を勝手に開封してはならず、家庭裁判所に申し立てて「検認」という相続人立ち会いの事実確認手続きを経なければなりません。これには数ヶ月の時間がかかります。 公正証書遺言であれば、検認が不要なため、故人の死亡後、速やかに不動産の相続登記や預貯金の払い戻し手続きに移ることができます。2024年の相続登記義務化に伴い、迅速に手続きを行える公正証書遺言のメリットはますます高まっています。


夕陽ヶ丘での遺言作成アドバイス:あなたに最適な形式とは

ここまで自筆証書遺言と公正証書遺言の特徴を見てきましたが、「結局どちらを選べばいいのか」と迷われる方も多いでしょう。

当事務所では、大阪市天王寺区の夕陽ヶ丘周辺をはじめ、多くのご相談者様から遺言作成に関するサポートを行ってまいります。夕陽ヶ丘エリアは落ち着いた住環境であり、ご高齢の方や将来の財産管理・相続に備えたいというご相談が特に多い地域です。地域に根ざした専門家として、ご相談者様の家族構成や資産状況に合わせた最適なアドバイスを提供しています。

一般的には、以下のような基準で選択することをおすすめします。

  • 費用を抑えたい方、内容がシンプルですぐに書き換えたい方:自筆証書遺言(ただし法務局保管制度の利用を推奨)
  • 確実に自分の意思を遺したい方、不動産や事業用資産を多くお持ちの方、残された家族の手間を最小限にしたい方:公正証書遺言

遺言書は、残された大切なご家族への最後のメッセージであり、無用な相続トラブルを防ぐための最強の盾となります。不備があってはせっかくの思いが台無しになってしまうため、少しでも不安がある場合は、ぜひ専門家へご相談ください。お客様の状況に寄り添い、安心できる遺言書作成を全面的にサポートいたします。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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