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自分で書く「自筆証書遺言」の書き方ルール:手書き、日付、署名実印の注意点

【この記事の監修者】

井上 正人 弁護士(大阪弁護士会所属 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表)

遺言書を残すことは、残された家族の負担を減らし、ご自身の財産の行方を確実にするために非常に有効な手段です。その中でも「自筆証書遺言」は、費用をかけずに自宅で手軽に作成できる点が魅力です。しかし、法律で定められた厳格なルールを守って作成しなければ、「形式不備」により無効になってしまうリスクがあります。

この解説では、最新の民法改正に対応した自筆証書遺言の正しい書き方や、よくある失敗例について分かりやすく解説します。

自筆証書遺言の書き方における重要ポイント

Q 自筆証書遺言はすべて手書きで書く必要がありますか?
A 原則として本文と日付、署名は自筆(手書き)が必要ですが、財産目録についてはパソコンでの作成や通帳のコピー、不動産の登記事項証明書の添付が認められています。

自筆証書遺言を作成する際は、法律で定められた要件を一つでも欠くと無効になってしまいます。ここでは、絶対に押さえておくべき基本ルールを解説します。

本文、日付、署名は必ず自分で手書きする

遺言書の本文、作成した日付、そしてご自身の署名は、必ず遺言者が自書(手書き)しなければなりません。代筆やパソコンでの作成(財産目録を除く)は認められていません。

日付についても、「2024年吉日」のような曖昧な書き方は無効の原因となります。「2024年〇月〇日」と、具体的な年月日を正確に記載してください。

氏名は署名し、押印は実印が望ましい

遺言書の末尾には、戸籍に記載されている氏名を自署します。そして、その署名の横には必ず押印をします。

認印やシャチハタ(浸透印)でも法律上は有効とされる場合がありますが、後々の偽造リスクや効力をめぐるトラブルを防ぐためにも、市区町村に登録している「実印」を使用し、印鑑登録証明書を一緒に保管しておくことを強く推奨します。

財産目録はパソコン作成やコピーの添付が可能

以前は財産目録のすべてを手書きする必要がありましたが、相続実務の負担軽減のため、現在はルールが緩和されています。

財産目録については、以下の方法で作成することが認められています。

  • パソコンで作成した財産目録を印刷して添付する
  • 預貯金の通帳のコピーを添付する
  • 不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を添付する

ただし、パソコンで作成した場合やコピーを添付する場合は、目録の毎ページ(両面の場合は両面)に署名と押印が必要になりますので注意してください。

自筆証書遺言でやりがちな失敗例と無効リスク

せっかく時間をかけて書いた遺言書が、少しの不手際で無効になってしまっては意味がありません。よくある失敗例をあらかじめ把握しておきましょう。

訂正方法の誤りによる無効

書き間違えてしまった際、二重線を引いて近くに正しい文字を書き、訂正印を押すという方法をとることがありますが、これは法律で厳格な訂正方式が定められており、一般の方が行うと失敗して無効になるリスクが非常に高いです。

書き間違えた場合は、面倒でも最初から新しい用紙に書き直すことが、最も安全で確実な方法です。

「推定相続人の権利」や「遺留分」への配慮不足

形式的なルールを満たしていても、内容面でトラブルになるケースがあります。例えば、特定の相続人にすべての財産を相続させる内容にした場合、他の相続人の「遺留分(最低限度の取り分)」を侵害していると、後々遺留分侵害額請求のトラブルに発展するおそれがあります。

また、近年の法改正により、自宅などの不動産の所有権移転に関する登記手続きのルールも厳格化しています。将来的にスムーズな不動産の名義変更を行うためにも、遺言書の文言は正確で法的根拠のあるものでなければなりません。

自筆証書遺言の作成に不安がある場合や、相続人間での争いを確実に防ぎたい場合は、法的な専門知識を持つ弁護士などの専門家に事前に相談し、内容を確認してもらうことをお勧めします。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人 (いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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