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相続手続きで戸籍謄本が大量に必要なのはなぜ?
「出生から死亡まで」の集め方

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、遺産分割・遺留分侵害額請求・相続放棄・不動産登記義務化等の相続実務経験に基づき、最新の民法および裁判所実務に沿ってわかりやすく解説しています。

なぜ「出生から死亡まで」の戸籍が必要なのか?

Q 相続手続きでなぜ亡くなった方の「出生から死亡まで」の戸籍謄本が大量に必要なのですか?
A 【相続手続きの要点】すべての法定相続人を漏れなく確実に特定し、後からの遺産分割協議の無効を防ぐためです。転籍や婚姻、法改正による改製を繰り返すため、一生分の連続した戸籍を客観的証拠として集める必要があります。
【対策と弁護士活用のメリット】全国の役所から郵送や窓口で取り寄せる作業は多大な時間と手間がかかります。夕陽ヶ丘法律事務所などの専門家に戸籍収集を代行してもらうことで、面倒な手続きの負担を軽減し、相続人調査の漏れや不備を防ぐことができます。

銀行での預金解約や法務局での不動産の名義変更(相続登記)など、あらゆる相続手続きにおいて「亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本」の提出が求められます。一見すると面倒に感じるかもしれませんが、これには法律上・実務上の非常に重要な理由があります。

戸籍収集の最大の目的は「相続人の確定」

相続手続きを進める前提として、「誰が法定相続人なのか」を公的な書面で間違いなく証明しなければなりません。家族の間では「相続人は自分たちだけだ」と分かっていても、金融機関や法務局の担当者は客観的な証明がなければ手続きに応じることができないからです。

出生から死亡までさかのぼって戸籍を確認することで、以下のような事実がないかを調べます。

  • 過去の婚姻歴と、前妻・前夫との間の子どもの有無

  • 認知している子どもの有無

  • 養子縁組の有無

もし、一部の期間の戸籍が抜けており、そこに認知した子どもなどが記載されていた場合、その人を除外して行った遺産分割協議は「無効」となってしまいます。後からのトラブルを防ぐためにも、連続した戸籍謄本を揃えることは絶対に必要なプロセスなのです。

「出生から死亡まで」の戸籍の集め方

日本の戸籍制度は、結婚や転籍(本籍地の変更)、さらには法律の改正による戸籍の電子化などによって、一人の人が一生の間に複数の戸籍を渡り歩くのが通常です。そのため、死亡時の最新の戸籍謄本を1通取るだけでは「出生から死亡まで」を証明したことにはなりません。

戸籍収集の具体的なステップ

  1. 死亡時の戸籍謄本(除籍謄本)を取得する

    まずは亡くなった方の最後の本籍地がある市区町村役場で、死亡の記載がある最新の戸籍謄本を取得します。

  2. 一つ前の戸籍に遡る

    取得した戸籍の中には、「どこから入籍してきたか」あるいは「いつの法律に従って戸籍が改製されたか」という記載(従前戸籍の表示など)があります。その情報を頼りに、一つ前の戸籍(除籍謄本や改製原戸籍)を請求します。

  3. 出生にたどり着くまで繰り返す

    この作業を繰り返し、亡くなった方が生まれた時点での親の戸籍(出生の記載があるもの)にたどり着くまで遡り続けます。

転勤などで全国各地に本籍を移していた場合、それぞれの市区町村役場に対して郵送で請求手続きを行わなければならず、定額小為替の手配や返信用封筒の準備など、非常に手間と時間がかかります。

広域交付制度の活用と注意点

2024年(令和6年)3月1日より、戸籍法の一部改正により「戸籍謄本等の広域交付制度」が始まりました。これにより、本籍地以外の最寄りの市区町村の窓口でも、自分や配偶者、直系尊属(父母・祖父母)、直系卑属(子・孫)の戸籍謄本等をまとめて請求できるようになりました。

ただし、広域交付制度にはいくつか注意点があります。

  • 兄弟姉妹の戸籍は請求できない

  • コンピュータ化されていない一部の戸籍は対象外

  • 代理人(専門家含む)による請求や郵送請求はできず、本人が窓口に出向く必要がある

また、不動産の相続手続きにおいては、2024年4月に「相続登記の義務化」がスタートしました。戸籍収集に手間取って放置してしまうと、期限(3年以内)を過ぎて過料の対象となるリスクがあります。さらに、2026年4月からは住所変更登記も義務化されます。手続きに不安がある場合や、役所に行く時間が取れない場合は、専門家に戸籍の収集代行を依頼することも選択肢の一つです。正確かつ迅速に相続人を確定させ、スムーズな相続手続きを進めましょう。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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