未支給年金とは?なぜ発生するのか
公的年金(国民年金や厚生年金)は、受給している方が亡くなった場合「亡くなった月分まで」支給される決まりになっています。 しかし、年金の支払いは「偶数月の15日」に「前月と前々月の2ヶ月分」が後払いで振り込まれるというシステムになっています。そのため、いつ亡くなったとしても、必ず「受給する権利はあったが、まだ支払われていない年金」が発生することになります。
たとえば、7月20日に亡くなった場合、6月分と7月分の年金は、本来であれば8月15日に振り込まれる予定でした。この「本来受け取るはずだったが受け取れなかった年金」が未支給年金です。
未支給年金を受け取れる人の範囲と順位
未支給年金は、故人の遺族であれば誰でも無条件に受け取れるわけではありません。受け取ることができるのは、「故人が亡くなった当時、故人と生計を同じくしていた遺族」に限られます。
法律(国民年金法等)により、未支給年金を受け取れる人には明確な順位が定められています。
-
配偶者(事実婚を含む)
-
子
-
父母
-
孫
-
祖父母
-
兄弟姉妹
-
その他、上記の者以外の三親等内の親族(甥、姪など)
自分より上位の人がいる場合は、下位の人は請求できません。例えば、配偶者がいる場合、子は未支給年金を請求することはできません。同順位の人が複数いる場合(例えば、子が2人いる場合)、そのうちの1人が代表して全額を請求することができます。
「生計を同じくしていた」とは?
同居していれば「生計を同じくしていた」と認められやすいですが、別居していても該当する場合があります。例えば、以下のようなケースです。
-
生活費の仕送りをしていた、あるいは受けていた
-
健康保険の扶養に入っていた
-
定期的に音信や訪問があり、経済的な援助が行われていた
別居の場合は、生計同一関係に関する申立書などの追加書類が必要になります。
相続放棄をしても未支給年金はもらえる?
未支給年金に関して非常によくある疑問が、「故人に多額の借金があり相続放棄を検討しているが、未支給年金は受け取っても大丈夫か?」という点です。
結論から言うと、相続放棄をした場合でも、未支給年金を受け取ることは全く問題ありません。
その理由は、未支給年金は故人の財産(相続財産)ではなく、法律によって定められた「遺族固有の権利」として遺族に直接与えられるものだからです。 相続放棄は「故人の財産(プラスの財産もマイナスの借金も)を一切引き継がない」という手続きですが、未支給年金はそもそも故人の財産ではないため、受け取ったとしても「相続財産を処分した(単純承認)」とはみなされません。
遺産分割協議書への記載は不要
未支給年金は相続財産ではないため、相続人全員で話し合う「遺産分割協議」の対象にもなりません。したがって、遺産分割協議書に未支給年金の分け方を記載する必要はありません(記載しても無意味となります)。 あくまで、法律で決められた優先順位の人が、自分の財産として請求・受領することになります。
未支給年金を受け取った場合の税金
未支給年金は相続財産ではないため、相続税の課税対象にはなりません。 しかし、受け取った遺族ご自身の「一時所得」として、所得税の課税対象となります。
ただし、一時所得には最高50万円の特別控除があります。他の一時所得(生命保険の満期金など)と未支給年金を合算して50万円以下であれば、実質的に税金はかからず、確定申告も不要です。多くの場合、未支給年金のみで50万円を超えることは少ないため、税金がかからないケースがほとんどです。
📜 相続トラブル・遺産分割のお悩みは夕陽ヶ丘法律事務所へ
戸籍一括収集から不動産名義変更(登記)・遺産分割協議までワンストップ対応。
親族間の対立や複雑な手続きでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
- 初回相談料: 0円(30分無料)
- 明確な料金体系: 事前に見積提示・着手金分割相談OK
- 名義変更・不動産登記: 担当弁護士が直接対応・税理士とも連携