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相続土地国庫帰属制度にかかる費用はいくら?
審査手数料と「負担金」の相場

【この記事の監修者】

井上 正人 弁護士(大阪弁護士会所属 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表)

相続した不要な土地を手放したいと考える方から注目を集めているのが、「相続土地国庫帰属制度」です。しかし、この制度を利用するためには、国に土地を引き渡すまでにさまざまな費用がかかります。

この制度の利用を検討するにあたり、どれくらいのコストを見込んでおくべきか、具体的な金額や計算方法を事前に把握しておくことが大切です。本記事では、申請時にかかる審査手数料や、土地を国に引き渡す際に納付する「負担金」の相場について詳しく解説します。

相続土地国庫帰属制度にかかる費用の全体像

Q 相続土地国庫帰属制度を利用するには、どのような費用がかかりますか?
A 大きく分けて「申請時に納める審査手数料」と、承認された後に支払う「管理負担金」の2種類の費用がかかります。また、必要書類の取得費用のほか、もし専門家に代行を依頼する場合は別途報酬が発生します。

相続土地国庫帰属制度を利用する際には、主に以下の費用が発生します。国に土地を寄付して手放すためには、一定の経済的負担が伴う点を理解しておきましょう。

  • 申請時審査手数料(国への手数料)
  • 負担金(国が10年間管理するための費用)
  • 必要書類の収集費用(住民票、戸籍謄本、登記事項証明書など)
  • 専門家(弁護士や司法書士など)に手続きを依頼する場合の報酬

特に重要なのが、審査手数料負担金の2つです。それぞれの相場と算出方法について次項から詳しく見ていきます。

申請時審査手数料の金額と注意点

相続土地国庫帰属制度の利用を希望する場合、まずは法務局に対して審査の申請を行います。この審査を行ってもらうために、国へ「申請時審査手数料」を納付しなければなりません。

審査手数料は一律で1筆あたり14,000円

審査手数料の金額は、土地の面積や地目に関わらず、土地1筆につき一律で14,000円と定められています。

ただし、注意しなければならないのは、この手数料は「申請件数ごと(1筆ごと)」にかかるという点です。例えば、実家を相続した際に、建物が建っている宅地とその周囲の畑が別々の筆として登記されている場合など、複数の土地を同時に申請すると、その筆数分の手数料が必要になります。

手数料は返金されない

この審査手数料は、国の審査によって「却下」または「不承認」となった場合でも、一切返金されません。また、申請者が途中で取り下げた場合も同様です。そのため、申請する前に本当にその土地が国庫帰属の要件を満たしているか、慎重に確認することが求められます。

土地を手放すための本丸「負担金」の相場と計算方法

審査が無事にパスし、国から承認を受けると、次は「負担金」の納付が必要になります。この負担金は、国がその土地を10年間管理するために必要な費用をあらかじめ一括で納めるものです。

原則は20万円!しかし土地の種類によって大きく変動

負担金の額は、原則として一律20万円とされていますが、これはあくまで最低ライン(宅地などの一部の例外を除く)です。土地の地目や面積、あるいは状況に応じて変動します。

負担金の具体的な計算方法は、土地の区分ごとに以下のように定められています。

  • 宅地・田・畑・牧場など:面積や地価に応じた算定方式(一定の計算式に基づき算出されます)
  • 森林:面積に応じた金額(面積が広がるほど負担金が高くなります)
  • その他の土地(原野、雑種地など):原則として一律20万円

宅地や農地は高額になるケースもある

特に注意が必要なのが、宅地や農地(田・畑)です。宅地の場合、面積だけでなく、その地域の標準的な地価水準などを考慮して負担金が計算されるため、数十万円から場合によっては数百万円以上の高額な負担金が必要になるケースもあります。

国が将来的に管理コストをかけざるを得ない土地や、活用が難しい広大な土地については、負担金も高額になる傾向があるため注意してください。

2024年の相続登記義務化との関係性

近年の法改正により、所有者不明土地の解消に向けた対策が強化されています。2024年4月からは相続登記が義務化され、さらに2026年4月からは住所変更登記の義務化も控え、不動産の放置に対するペナルティや管理責任が厳しく問われる時代になりました。

「使い道のない実家の土地をずっと放置して固定資産税を払い続けるよりは、多少の費用を払ってでも国庫帰属制度で手放したい」と考える方は増えています。しかし、前述の通り、国庫帰属制度の利用にも審査手数料や思いのほか高額な負担金がかかる場合があります。

土地を手放す際には、相続放棄という選択肢や、売却の可能性も含めて、専門家に相談しながら総合的に判断することをおすすめします。

まとめ

相続土地国庫帰属制度にかかる費用は、土地1筆あたり14,000円の審査手数料と、国が10年間管理するための「負担金(原則20万円〜、宅地や農地などは高額になる場合あり)」です。

申請すれば必ず安価に手放せるというわけではなく、土地の状況によってはまとまった費用が必要になるため、事前に法務局の相談窓口や専門家に確認し、コストとメリットを比較して慎重に申請を進めましょう。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人 (いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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