お電話での無料相談 (平日10時~18時) 06-6773-9114
LINE無料相談 無料相談予約

使途不明金請求の時効:「不当利得(10年)」と「不法行為(3年/5年)」

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、遺産分割・遺留分侵害額請求・相続放棄・不動産登記義務化等の相続実務経験に基づき、最新の民法および裁判所実務に沿ってわかりやすく解説しています。

使途不明金請求の時効とは?法的根拠による期間の違い

Q 使途不明金の返還請求をする際の時効は何年ですか?「不当利得」と「不法行為」の違いを教えてください。
A 【法律上の要点と時効期間】使途不明金の返還請求の時効は、主張する法的根拠によって異なります。法律上の原因なく利益を得たとする「不当利得返還請求」の場合は原則として権利を行使できることを知った時から5年(権利を行使できる時から10年)、引き出し行為を違法な加害行為とする「不法行為に基づく損害賠償請求」の場合は被害と加害者を知った時から3年となります。
【対策と弁護士活用のポイント】時効の完成が迫っている場合は、内容証明郵便による「催告」を行うことで一時的に時効の完成を猶予(6ヶ月間延長)させることができます。ただし、これは一時的な措置に過ぎないため、証拠収集や法的手続きを迅速に進める必要があります。使い込みの発覚後はお早めに相続問題に強い弁護士へご相談ください。

被相続人(亡くなった方)の預貯金から、生前に他の相続人(例えば同居していた長男など)が無断で引き出し、使い込んでしまった場合、残された他の相続人はそのお金の返還を求めることができます。これを「使途不明金請求」と呼びます。

しかし、この使途不明金の返還請求には消滅時効が存在します。時効が完成してしまうと、法的に返還を請求する権利が消滅してしまうため、迅速な対応が不可欠です。

使途不明金を請求する際、どのような法的根拠(法理)で訴えるかによって適用される時効の期間が異なります。次の項目で詳しく見ていきましょう。

「不当利得」と「不法行為」における時効の比較

使途不明金の返還請求を行う場合、主に不当利得返還請求権不法行為に基づく損害賠償請求権という2つの法理が使われます。それぞれの特徴と時効期間は以下の通りです。

1. 不当利得返還請求(時効:原則10年)

法律上の原因なく他人の財産によって利益を得て、そのために他人に損失を与えた場合、損失を受けた人は利益を受けた人に対してその返還を求めることができます(民法703条)。

  • 時効期間:権利を行使できることを知った時(主観的起算点)から5年、または権利を行使できる時(客観的起算点)から10年
  • 特徴:使い込みを行った者が「法律上の原因(正当な理由)なく」被相続人の口座からお金を持ち出した場合、単なる不当利得として返還を求めます。時効の期間が比較的長いため、過去の使い込みについても請求できる可能性があります。

2. 不法行為に基づく損害賠償請求(時効:3年 / 5年)

故意または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負います(民法709条)。無断での預貯金の引き出しを「窃盗」や「使い込みという違法行為」と捉えて損害賠償を請求します。

  • 時効期間:被害および加害者を知った時から3年(人の生命または身体を害する不法行為による損害賠償請求権の場合は5年)、または不法行為の時から20年(除斥期間)。
  • 特徴:時効の期間が3年と非常に短いため、使い込みの事実や相手を知った日から3年が経過すると請求できなくなるリスクが高くなります。

このように、どの法理を選択するかによって時効の完成時期が大きく異なるため、事案に合わせた適切な法的構成を検討する必要があります。

時効の完成を防ぐための法的手段

使途不明金の調査には時間がかかることが多く、気づいた時にはすでに時効が迫っているというケースも珍しくありません。時効の完成を防ぎ、権利を保全するためには、法的なアクションを起こす必要があります。

時効の完成を猶予・更新させるための主な手段は以下の通りです。

  • 催告(内容証明郵便の送付):相手に対してお金の返還を求める旨を記載した書面を、内容証明郵便で送付します。これにより、時効の完成を6か月間猶予させることができます。ただし、猶予期間内に訴訟を提起するなどのさらなる措置が必要です。
  • 裁判上の請求(訴訟の提起・支払督促など):裁判所に訴えを提起することで、時効の進行を完全に更新(リセット)させることができます。使途不明金トラブルでは、話合いでの解決が難しいため、早い段階で訴訟提起を視野に入れることが重要です。
  • 承認(債務の承認):相手が使い込みの事実や返還義務を認め、一部でも返金を約束したり支払ったりした場合は、時効が更新されます。

相続登記の義務化等、近年の法改正とあわせた注意点

相続実務においては、近年相次いで重要な法改正が行われています。使途不明金の調査や不動産を含む遺産分割においても、これらのルール変更に注意しなければなりません。

  • 相続登記の義務化:不動産を相続した場合、取得を知った日から3年以内に相続登記の申請が法律上の義務となりました。正当な理由なく怠ると過料が科される可能性があります。
  • 住所変更登記の義務化(2026年4月施行):住所変更の日から2年以内の登記変更が義務付けられます。
  • 所有不動産記録証明制度の導入:被相続人が所有していた不動産リストを把握しやすくなる制度が整備されています。

使途不明金のトラブルがある場合、遺産分割協議がまとまらず、結果として不動産の相続登記や各種手続きが遅れる原因となります。特に時効が関係する金銭の使い込み問題は、時間の経過とともに証拠の散逸や記憶の曖昧化が進むため、早期の対応が極めて重要です。

少しでも不安がある場合は、時効が完成してしまう前に、相続問題に強い法律事務所の弁護士へご相談ください。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

この記事に関するご相談はこちら

専門の弁護士があなたのお悩みを
解決へ導きます。
まずはお気軽にLINEよりご相談ください。

【日本全国対応・ご来所不要】
LINE・お電話で手続完結

初回相談30分無料
(※事案により異なる場合があります)
ご相談だけで終了しても費用は一切かかりません

LINEで無料相談(24時間受付)
電話で詳しく聞く 📞 フォームから予約 📧
TOP
LINE相談
無料相談