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組織開発

システム開発の注意点

2024/01/29 更新

システム開発の発注

 システム開発を外部に発注する際のポイントを説明します。 

システム業者の本音

(1)システムの見積りは人件費です。しかし、極端に言えば、システムを作成するのに、何日かかるのか。何名のプログラマーがいるのかは分かりません。
(3)見積もりを作る際には、経験則で人件費を予想し、+ 安全なマージンを乗っけるしかありません。
(2)システムに組み込むべき機能もプロググラマーには分かりません。発注者側で説明してほしい。
(3)後日、出てきた要望は見積り外の仕事であり、追加費用を頂きたい。

発注者の本音

(1)予算は伝えあるので守って頂きたい。
(2)システムは素人であるので、必要な機能は、ヒアリングで聞き出して欲しい。
(3)予算、システムを作る目的を伝えてあるので、細かい仕様はシステム業者が提案してほしい。

本音のギャップがトラブルになる

(1)何を作るか、不明確なまま契約が進んでいることが多い。
(2)システムは一回で完成させることは難しい。既存にないシステムを作るのであれば、根本的な作り直しが必要になることも少なくない。
 そうなると、当初予算の2,3倍の値段がかかることもあります。
(3)これをできるだけ防ぐ、もしくは、起きるであろう事態に備える必要があります。

他のシステムとの連動は高額になる

 ワード、エクセル、ツイッター、ライン、最近は他のサービス(システム)と連動して使えるサービスが増えています。
 しかし、これらを連動させる場合、そのシステムが更新すればこちらのシステムも対応しなければならず、作り直しが必要になります。

急いで作ると高額になる

(1)システムの作成は人件費で出来ています。システムを作成するのに、5人の予定を10人で作れば早くは作れます。
  しかし、急遽外注で人手を増やす必要があったり、プログラマー同士で調整する必要がでてきたり、ミスが多くなったりします。
(2)急いで作ると、高額になります。

ランニングコスト

 ウェブシステムを作ると、維持費がかかります。システムによって異なりますが、月50万円は見込んでおいた方がよいでしょう。

お互いのギャップを無くす方法

(1)前述したように、何を作るか、不明確なまま契約が進んでいることが多い。
(2)まずは、システムを一回で完成させることはあきらめる、という考え方があります。
 プロトタイプとして簡単な形で作成して、その段階で使ってみます。ミニマムの機能でリースして、ビジネスを始めながら、開発を進めていく計画です。
 プロトタイプとして予算を組んで、毎月の収支に、改良費・改修費を盛り込んでいく計画です。
 月に〇円の売上があるとして、月に〇円を改良費・改修費に回すという考えた方です。
(3)既存のシステムを参考にそのまま作るという方法も、作成するシステムについて齟齬がでないやり方です。

下請けしかしていない業者も多い

(1)システム業界は、大手IT業者が仕事を受けて、細かく仕事を分割して下請けに回すのが普通です。
(2)下請けしかしていない業者は多数います。そういう業者は、安い見積もりを提示してきます。そして、多くの業者は真面目な人たちが多く、本当にその値段でシステムを作れると信じています。しかし、注文者との打ち合わせのノウハウを持たないために、大きなトラブルになります。
(3)システム業者に頼む際には、元請けとしてどんな仕事を受けたのか、完成品を見せてもらいながら、聞きましょう。

相見積もりが難しい

(1)システムの価格は、いろいろな価格があります。単純比較が難しいです。
(2)プロトタイプの値段(実際にビジネスを始めるには、2倍の値段が必要)
  あくまで、注文者が説明した機能だけを設計に盛り込んだ値段(本来必要な機能は他にも出てくる可能性があり、注文者が説明しきれなかった機能も含める必要があることを見逃した値段)
  安全マージンを取っていない値段(見積もりは作る際には、経験則で人件費を予想し、+安全なマージンを乗っけるしかない。)
(3)しかしながら、どれもが嘘の値段ではなく、システムの正しい値段です。

発注側でシステムの導入計画を作りましょう。

(1)発注者側で、システムを作る目的と予算と、期待する効果を明確に数値にして発注者にも開示しましょう。
(2)要求する機能等(例えば、請求書業務の効率化等でもよい)を細かく分けて記載し、見積もできるだけ機能別に分けて見積もりを作ってもらいましょう。これによって、相見積もりも見やすくなります。
(3)パワポ(パラパラ漫画レベル)でよいので、発注者側でイメージする製品見本を作りましょう。
  発注者側での要件の洗い出し及び、システム会社への説明に役立ちます。
(4)プロトタイプと、完成品を分けて考えましょう。プロトタイプだけ作って、効果測定することもあり得ます。
  プロトタイプの目標を立て、どう目標・機能を満たせば、完成品の作成に移行するのか基準を設けておきましょう。
(5)正直に言えば、専門的知識なく、システム会社に発注するのは難しいです。
  可能であれば、発注のアドバイザーとして、専門業者を別途入れるのが理想的です。

システム業者にするべき質問は何か。

Q 元請けの立場で、どんなシステムを作ったのか。実物を見せてほしい。

Q 製品の納期はいつになるのか。

Q 今回出してもらったシステムの代金は、どこまでの代金なのか。
  完成させるシステムはどこまでの機能を有するのか
  プロトタイプの代金なのか。それとも、完成品なのか。

Q 完成させたとしても、改修の必要性があると思うが、どういう計画であるのか。

Q 今回のシステムについては、どれくらい改修の必要性がでてくると予想するのか。

Q システムの維持にかかる費用はどれくらいのになるのか。
 (1)他のシステムを利用する場合には、そのランニング費用
 (2)今後出てくる改修については、どのような体制で改修して、どれくらいの費用がかかるのか。

システム開発のポイント

  システム業者に初めて依頼するときには、以下のことを覚悟すべきです。

(1)システムの発注を経営戦略と位置づけ、1度、2度の失敗は覚悟する。
  システム発注は、お金をだせば上手くいくものでない。
  システム発注は、発注側にもノウハウが必要なチャレンジグな試みであることを理解する。

(2)できるだけ、システムに必要な機能を文書でシステム業者に伝える。
  ここにどれだけ時間を割いても無駄にはなりません。

(3)まずは、小さくシステム開発を試してみる。
  失敗を前提に、信頼できる業者を探す。

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