科学的思考と経営
2024/01/10 更新
科学的思考
科学的思考を経営に活かすためには、以下の思考が必要です。
常識を疑う
(1) 常識を疑う必要があります。経験則に頼った判断を疑う必要があります。
(2) システム思考もその例かもしれません。
(3) 経営努力を続けているのに、結果が出ない場合には、その前提(例えば、売り上げさえ上げれば、利益がでるはず等の経験則)を疑う必要があります。
外れ値に注目する
(1)多数のデータと違う動きをするデータ(外れ値)は、 新しいビジネスを考えるヒントがあります。
(2)少数意見には、新しいビジネスを考えるヒントがあります。
(3)このような見方があるのか、こういう使い方があるのか、こういうニーズがあるのか、という新しい発見を生み出します。
検証可能な仮説を立てる
(1)検証可能か仮説を設定します。
(2)例えば、「こういう商品を作れば、こういう人が、このように使うために、買う。」という仮説を立てて、かつ、それを測定する指標を設定します。
指標を設定して、情報収集する
(1)指標とは、売上だけでなく、来店数、問い合わせ数、HPのアクセス数、目標の達成状況
を観測するのに使える数字を意味します。
(2)その指標の推移に注目して、仮説の当否、事業計画の変更等を議論する必要があります。
相関関係と因果関係を区別する
(1)因果関係とは、「AがBを引き起こす。」証拠を見つけること、「Aがなければ、Bは成立しない」証拠を見つけることです。
(2)例えば、データ上「自社ビルを持っている企業と、その企業の業績がよいこと。」には確かに強い関連性が見られるかもしれません。しかし、「自社ビルを持つから、業績が良くなるけではない。」し、「業績が良い企業は自社ビルを持つわけでもありません。」
直感的にこのことは理解できますが、例えば、「社員教育に投資している企業は、業績がよい。」という仮説について、検証することは難しいでしょう。
なぜなら、「業績が良い企業は余裕があり、当然、社員教育に投資を回せる。」という逆の仮説も成り立ちます。
参考
ハーバードビジネスレビュー2022年9月号15頁