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Q 消滅時効について教えて下さい。

2026/05/21 更新

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消滅時効

消滅時効について教えて下さい。

消滅時効は、5年間等の一定期間、請求しないとその請求が消滅する制度です。

消滅時効の主張

消滅時効を主張するには、内容証明等の記録が残る方法で、「時効援用する。」と記載された文書を送る必要があります。

5年の消滅時効の要件事実

1 要件事実

① 権利を行使できることを知ったとき(主観的な起算点)から5年を経過したこと

② 時効援用の意思表示をしたこと

2 主観的な起算点

権利を行使できることを知ったときは、主観的な起算点です。

契約上の債権については、客観的な起算点(弁済期)と主観的な起算点は一致します。

例えば、7月末日に返済する旨の合意書を締結していれば、返済日を知った(権利を行使することができることを知った)ことになります。基本的には弁済日を基準に考えます。

民法
166条(債権等の消滅時効)

1項 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
 一 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。
 二 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。

2項 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する (省略)  

3 客観的な起算点が問題となる場合

損害賠償については、損害の発生等に気づいていない場合には、主観的な起算点と客観的起算点が不一致となる可能性があります。

不法行為については、権利を行使できることを知ったときから②3年(生命身体については5年)を経過して、②援用の意思表示がされると、時効により債権が消滅します(民法724条、724条の2)。

民法
167条(人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効)

人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第1項第2号の規定の適用については、同号中「10年間」とあるのは、「20年間」とする。


724条(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)

不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないとき。
二 不法行為の時から20年間行使しないとき。  


724条の2(人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)

人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一号の規定の適用については、同号中「3年間」とあるのは、「5年間」とする。

時効の更新

下記のような事情があると、これまで進んでいた時効期間はゼロとなり、最初から時効期間のカウントが始まります。

具体的には、判決の確定や、裁判所の和解、強制執行、権利の承認(債務の一部の弁済、期限の延長の申し出など、債務の存在を認める行為)があります。

更新事由があるかは、分からないことも多く、まずは、「時効を援用する。」旨の通知を送ります。これに対して、債権者が反論してから検討することも多いです。

権利の承認

更新事由で多いのが、権利の承認です。

債務の一部の弁済、期限の延長の申し出、債務額を確認する書類を作成することは、権利の承認となります(民法152条1項)。

権利の承認があれば、時効の更新が成立します。権利の承認をしたときから、新たな時効が進行します(152条1項)。

参考

岡口基一「要件事実マニュアル(第7版)第1巻 総論・民法1」310頁

民法
152条(承認による時効の更新)

1項 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。

2項 前項の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない。

協議を行う旨の合意

時効完成前に、「一定の期間だけ時効を完成させずに話し合いをする。」という合意ができます(民法151条)

1年間もしくは1年間以内の合意した期間まで、時間の完成を猶予できます。

民法
151条 (協議を行う旨の合意による時効の完成猶予)

1項 権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、次に掲げる時のいずれか早い時までの間は、時効は、完成しない。
 一 その合意があった時から一年を経過した時
 二 その合意において当事者が協議を行う期間(一年に満たないものに限る。)を定めたときは、その期間を経過した時
 三 当事者の一方から相手方に対して協議の続行を拒絶する旨の通知が書面でされたときは、その通知の時から六箇月を経過した時

2項 前項の規定により時効の完成が猶予されている間にされた再度の同項の合意は、同項の規定による時効の完成猶予の効力を有する。ただし、その効力は、時効の完成が猶予されなかったとすれば時効が完成すべき時から通じて五年を超えることができない。

3項 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた第一項の合意は、同項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。同項の規定により時効の完成が猶予されている間にされた催告についても、同様とする。

4項 第一項の合意がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。

5項 前項の規定は、第一項第三号の通知について準用する。

判決等で確定した権利

判決が確定した場合、裁判上の和解が成立した場合、時効は10年となります(民法169条)。

民法
169条(判決で確定した権利の消滅時効)

1項 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年とする。

2項 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。

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