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Q 訴訟上の和解の閲覧の制限について教えて下さい。

2026/02/28 更新

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民事記録の閲覧の制限

(1)当事者の申立てにより、以下の事情があれば、訴訟記録の閲覧等を制限することができます(民事訴訟法92条1項)。
 ① 社会生活の支障
 ②営業秘密
(2)訴訟記録の閲覧(民事訴訟法91条)は、裁判の公開原則を徹底するための制度であるから、訴訟記録の閲覧等制限(民事訴訟法92条)については、憲法の趣旨をそこならない配慮が必要とされます。
(3)なお、民事訴訟法92条1項2号の「営業秘密」は、不正競争防止法の「営業秘密」と同じ概念であり、①秘密管理性, ②有用性, ③非公知性の充足が問題となります。

民事訴訟法91条 訴訟記録の閲覧等
1項 何人も、裁判所書記官に対し、訴訟記録の閲覧を請求することができる。
2項 公開を禁止した口頭弁論に係る訴訟記録については、当事者及び利害関係を疎明した第三者に限り、前項の規定による請求をすることができる。
3項 当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、訴訟記録の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は訴訟に関する事項の証明書の交付を請求することができる。

民事訴訟法92条 秘密保護のための閲覧等の制限
1項 次に掲げる事由につき疎明があった場合には、裁判所は、当該当事者の申立てにより、決定で、当該訴訟記録中当該秘密が記載され、又は記録された部分の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下「秘密記載部分の閲覧等」という。)の請求をすることができる者を当事者に限ることができる。
一 訴訟記録中に当事者の私生活についての重大な秘密が記載され、又は記録されており、かつ、第三者が秘密記載部分の閲覧等を行うことにより、その当事者が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあること。
二 訴訟記録中に当事者が保有する営業秘密(不正競争防止法第二条第六項に規定する営業秘密をいう。第百三十二条の二第一項第三号及び第二項において同じ。)が記載され、又は記録されていること。
(以下、省略)

口外禁止条項が記載された和解条項

(1)口外禁止条項が記載された和解条項については、本件を口外せずに紛争を終結させたいという当事者の処分権主義的な要請もあるので、これを公開させる必要性はとぼしい。
(2)口外禁止条項が記載された和解条項全体について、民事訴訟法92条1項の2号の「営業秘密」にあたるとして、閲覧等制限を認めた判例もあります(知的財産高判令和6年9月5日、東京高判令和7年6月6日判例タイムズ1540号94頁以下)。
(3)改正後の民事訴訟法91条2項後段、91条の2第4項(現時点では、施工前である。)では、訴訟上の和解に係る部分について閲覧請求できるものが当事者及び利害関係を疎明した第三者に限られます。
 したがって、口外禁止条項が記載された和解条項について、訴訟記録の閲覧等制限の申立てをする実益は、改正後の民事訴訟法の施行後には不要になるかもしれません。

改正後の民事訴訟法91条 非電磁的訴訟記録の閲覧等
1項 何人も、裁判所書記官に対し、非電磁的訴訟記録(訴訟記録中次条第一項に規定する電磁的訴訟記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。)の閲覧を請求することができる。
2項 公開を禁止した口頭弁論に係る非電磁的訴訟記録については、当事者及び利害関係を疎明した第三者に限り、前項の規定による請求をすることができる。非電磁的訴訟記録中第二百六十四条の和解条項案に係る部分、第二百六十五条第一項の規定による和解条項の定めに係る部分及び第二百六十七条第一項に規定する和解(口頭弁論の期日において成立したものを除く。)に係る部分についても、同様とする。

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