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判例(弁護士が、「カードローンの債務整理の相談の件」として受任通知を送ったが、毎月の返済をストップさせておらず、弁護士が銀行に電話で、債務整理をするかもしれないと告げた。これは、分割弁済の期限の利益を喪失させる「支払いを停止させる」に該当しない。

2026/03/03 更新

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受任通知の効力

「受任通知」とはなんですか?どのような効力があるのでしょうか。

受任通知は、「依頼者が任意整理等の手続の準備をすること、今後、依頼者に直接連絡することを禁じる」旨の通知です。

受任通知を受け取った後、債権者(例えば、銀行・消費者金融)は、依頼者に取立ての連絡することができません。

受任通知のデメリットと注意点

(1)債務整理についての受任通知を送ると、消費者金融等は以下の対応をします。

(2)個人の信用情報機関にて「債務整理」等と記録します。

(3)毎月の返済をストップさせてた場合には、分割弁済の期限の利益を喪失させる「支払いを停止させる」に該当するとして、残額の一括請求の準備をします。なお、債務整理の場合は、消費者金融等は残額の一括請求ができることを前提に、弁護士と分割交渉をすることになります。

東京地裁令和6年4月9日 判例タイムズ1540号173頁

 弁護士が、カードローンの債務整理の相談の件と記載された受任通知を送ったが、毎月の返済をストップさせておらず、弁護士が銀行に債務整理をするかもしれないと告げた。これは、分割弁済の期限の利益を喪失させる「支払いを停止させる」に該当しない。

なお、本件では、カードローンの銀行は、上記の受任通知を理由に、分割弁済の期限の利益を喪失させる「支払いを停止させる」に該当するとして、保証会社から代位弁済を受けている。

解説

(1)弁護士が受任通知を送ってしまうと、個人の信用情報機関にて「債務整理」等と記録されてしまいます。そうなると、クレジットカードの使用や、ローン等の利用が難しくなります。

(2)今まで何とか支払いをしているようなケースや、過払い金請求が可能かどうかを検討しているケースでは、受任通知を送ってよいのか、再度、確認が必要です

(3)弁護士としては、債務整理のメリットデメリットを検討するために受任通知を送る際には、「債務整理のメリットデメリットを検討するために、債務整理となればいくらぐらい毎月の減額が可能なのか調査しているが、債務整理をすると決定していないこと、債務務整理でもなく、破産手続でもないこと」を明記すべきとなるでしょう。

(4)保証人がいる場合には、受任通知を送れば債権者は保証人に請求を開始することになります。

受任通知についてのデメリットの説明

(1)受任通知を送ると、信用情報に「債務整理」等の記載がされます。

依頼者が滞納していない場合に受任通知を送ってしまうと、信用情報に「債務整理」等の記載がされてしまい、不利益を与えてしまう可能性があることを改めて、注意が必要です。

(2)これに対して、依頼者が滞納している場合にであれば、もともと、信用情報に滞納という旨の事故情報が記載されています。

この場合には、受任通知を送ると、信用情報に記載がされることを説明すれば足りるでしょう。

弁護士による手続ミスの事例

「自由と正義」の2023年1月号の91頁では、上記の手続ミスで弁護士が懲戒された事例が記載されており、注意が必要です。

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