判例(従業員が滑りやすい階段で転んだことについて、会社に責任が認められた。)
2026/06/02 更新
このページを印刷東京高判令和4年6月29日判例タイムズ1510号177頁
1 事案
(1)居酒屋の3階に厨房があり、食材の搬出やゴミ出しのためには、外階段を利用する必要があった。
(2)外階段は、屋根が無く雨が降れば滑りやすい状態であった。
(3)以前にも、居酒屋の店長が雨に濡れた外階段で他の従業員が転倒したことを認識していた。
(4)居酒屋店の備え付けのサンダルは摩耗してすべりやすい状態であった。
2 判決
(1)以前にも、居酒屋の店長が雨に濡れた外階段で他の従業員が転倒したことを認識していたことを考えれば、本件階段は客観的安全性を欠いている。
(2)居酒屋店の経営者が、従業員に対し、階段の利用について注意を促したり、階段に滑り止めの加工をするなど、従業員の安全を確保する義務を負っていた。
しかし、同人はこれを怠っており、従業員が滑りやすい階段で転んで怪我をしたことについて安全配慮義務を怠っている。
(3)従業員の過失も認められるとして、従業員の過失割合を4割としました。
3 解説
(1)第一審では、従業員の過失の有無に注目して判断し、従業員の請求を否定した。
(2)控訴審では、階段の客観的安全性について注目して、従業員の請求を認めました。もっとも、階段の客観的安全性としては、前に同様の事故が起きていたにか、を考慮する立場をとるものと思われます。
参考
判例タイムズ1510号176頁






