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判例(著作権侵害申告によって、動画が削除された。同動画の配信行為が、著作権法の侵害にならないが、他人の営業上の利益を害する場合には、侵害申告は違法とならない。)

2026/06/03 更新

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著作権法6条の「著作物」に該当しない場合

(1)著作権法6条の「著作物」に該当しない情報について、他人が無断で使用した場合であっても、法律に保護に値する権利を侵害した場合には損害賠償義務を負うとされています。(最判平成23年12月8日民集65巻9号3275頁)

(2)労力をかけて成果物を作成したものを、権利者に無断で活用して利益を得て、かつ、これによって、権利者にも経済的損失を与えた場合には、法律上保護された利益(営業上の利益)を侵害した場合にあたります。

大阪地判令和6年1月16日判例タイムズ1543頁

1 事案 

(1)Yはインターネットで将棋の実況中継を有料で配信するサービスをしていた。Yは将棋連盟から将棋の棋譜をリアルタイムで放映する権利を対価を支払って得ていた。

(2)Xは、Yの有料会員として将棋の棋譜の情報を得て、これを使って棋譜を即時に再現する動画を作成し、YouTubeで配信し利益を得ていた。

(3)YがXの動画について著作権侵害申告を行い、YouTubeから動画が一時期削除された。

(4)Xは、Yが著作権侵害の申告を行ったことが不正競争防止法上の営業の利益を侵害するとしてYに対し損害賠償請求をした。

2 判決

(1)棋譜情報は、公表された客観的事実であるから、著作権の対象とはならない。

(2)しかし、Yはインターネットで将棋の実況中継を有料で配信するサービスをしていた。Yは将棋連盟から将棋の棋譜をリアルタイムで放映する権利を対価を支払って得ていた。
 Xは、将棋連盟から放映権の対価を支払わず、Yから得た情報を活用して、YouTubeの配信で利益を得った。また、Xの動画配信により、Yは利用者を失っており損害を被っている。

(3)つまり、Xの活動は、Yが労力をかけて成果物を作成したものを、Yに無断で活用して利益を得て、かつ、これによって、Yにも経済的損失を与えており、Yの営業上の利益を侵害する違法なものである。

 動画の削除申請は、Xの営業上の利益を侵害するものとはえいない、とされました。

参考

 判例タイムズ1543号126頁

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