判例(仮想通貨の取引で簡単に絶対に稼ぐことができると誤信させるようなウェブサイトや動画で商品を購入させる(情報商材)を販売する事業者に対する請求については、消費者の過失相殺が問題になり得るが、ウェブサイトや動画で誤信させるという経緯は共通し、これを信じて購入するという消費者の主観も共通することから、「当該簡易確定手続において対象債権の存否及び内容を適切かつ迅速に判断することが困難であると認めるとき」にはあたらない。「共通義務確認の訴え」が認められ、代金の返金が命ぜられた。)
2026/09/26 更新
このページを印刷共通義務確認の訴え
消費者契約法による認定を受けた適格消費者団体は、消費者の紛争予防のために、事業者の行為を訴えることができます。
これが「共通義務確認の訴え」です。
本件各対象消費者が多数であること
(1)共通義務確認の訴えは、多数の消費者と共通の問題が生じる問題について、金銭支払義務の確認をする訴えです(共通義務確認訴訟)。
(2)消費者ここが訴訟を提起する場合より、消費者団体訴訟制度を利用した方が効率的であるという程度の人数規模が必要です。
(3)消費者が数名程度という規模であれば、不十分ですが、数十名程度の消費者が被害にあれば、要件を満たします。
消費者裁判手続特例法3条4項
(1)消費者裁判手続特例法3条4項は、「当該簡易確定手続において対象債権の存否及び内容を適切かつ迅速に判断することが困難であると認めるときは、共通義務確認の訴えの全部又は一部を却下することができる。」と定めています。
(2)簡易確定手続については、証拠調べが書証に限定されるなど証拠制限があります(48条)。
(3)請求の当否や損害額の認定において、証人尋問や当事者尋問等の書証以外の証拠調べが必要な事案では、共通義務確認の訴えには適さないので、却下されるということになります。
(4)請求の当否やその額の確定について消費者の個別事情を顧慮する必要がある案件では、不適切となることがありまえます。
最高裁令和6年3月12日
仮想通貨の取引で簡単に絶対に稼ぐことができると誤信させるようなウェブサイトや動画で商品を購入させる(情報商材)を販売する事業者に対する訴訟について、消費者の過失相殺が問題になり得るが、ウェブサイトや動画で誤信させるという経緯は共通し、これを信じて購入するという消費者の主観も共通し、商品が投資そのものではなく情報商材であって、消費者の投資経験等を考慮する必要性も低いという事情を考慮して、不法行為に基づく損害賠償請求について過失相殺が問題となる事案ではあるが、「当該簡易確定手続において対象債権の存否及び内容を適切かつ迅速に判断することが困難であると認めるとき」にはあたらない。
つまり、共通義務確認の訴えは適法である、と判断しました。
(最高裁令和6年3月12日)
判例タイムズ1523号100頁




