判例(婚姻費用の合意の無効の確認の訴えは認められない。)
2026/06/01 更新
このページを印刷最判令和7年9月4日民集79巻6号2637頁
(1)婚姻費用の合意の無効の確認を求める訴えについては、訴えの利益が認められない。
(2)婚姻費用の合意の無効の確認を求める訴えは認められない。
参考
判例タイムズ1543号26頁
解説
1 婚姻費用の合意と、無効の主張
(1)当事者が合意書等で、養育費の金額を具体的に決めているときに、義務者がこれを支払わない場合には、家庭裁判所に対する審判手続ではなく、地方裁判所(もしくは簡易裁判所)に対する民事訴訟を提起すべきとされています(東京高裁令和5年5月25日判例タイムズ1522号118頁)
(2)これに対して、婚姻費用の合意の無効の確認を求める訴えをする訴えは認められない、との判断がされました。
(3)婚姻費用の金額は夫婦の生活費の決めるものであり、当事者が話し合って決めるべきものです。したがって、調停前置主義が取られて、調停が不成立であれば、審判手続の対象となります。・・・①
(4)婚姻費用の合意が無効であるとすれば、その額を改めて決めなければなりません。したがって、①と同手続で審理されるべき問題とされました。
2 遺産分割協議の無効の訴え
(1)遺産分割協議の無効の訴えについては、訴えの利益が認められています(最判昭和41年3月2日民集20巻3号360頁)。
(2)この点については、遺産分割調停では、遺産分割の合意の無効が争われた場合には、紛争の前提を解決するために、遺産分割協議の無効の訴え(訴訟手続)での決着まで、調停手続が進められません。
(3)婚姻費用の金額は、夫婦の収入資料が出そろえば早々に決着する性質があり、結論が分けたと思われます。
| 判例タイムズ1543号26頁以下では、「遺産分割協議の無効の訴え」と対比して、結論が妥当か分析されていました。 |






