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判例(暴力団によるみかじめ料請求行為を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求について、消滅時効を主張することは信義則違反もしくは権利の濫用である)

2026/06/27 更新

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名古屋高判令和5年12月14日 判例タイムズ1544号62頁

1 事案

(1)暴力団によるみかじめ料を支払われたとして、当該暴力に対しては不法行為に基づく損害賠償請求を、暴力団の組長に対しては暴対法31条の2に基づく損害賠償請求をした。

(2)暴力団らは、損害および加害者を知ったときとは3年が経過しているとして、その請求の一部について消滅時効を主張した。

2 判決

 暴力団によるみかじめ料請求行為を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求について、消滅時効の主張は信義則違反もしくは権利の濫用である

解説

1 不法行為の主観的事項の抗弁

(1)民法724条前半は、主観的消滅時効の抗弁を規定している。
 これには、3つの要件が必要です。①損害および加害者を知ったこと、②①より3年が経過したこと③時効援用の意思表示をしたことです。
(2)①損害および加害者を知ったときとは、被害者において加害者に対する損害賠償請求ができる程度に、これらを知ったときのことをいいます(判例タイムズ1544号62頁)。

2 消滅時効の主張が信義則違反もしくは権利濫用であるとき

(1)本判決は、暴力団によるみかじめ料請求行為を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求について、消滅時効を主張することは信義則違反もしくは権利の濫用であるとしたものです。

(2)本判決は、被害者が委縮している状態で、訴え提起等の手段をとることが難しかったことを重視した判例です。

民法
724条 不法行為による損害賠償請求権の消滅時効

不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

724条の2 人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効

人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一号の規定の適用については、同号中「三年間」とあるのは、「五年間」とする。

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