判例(LPガスの事業者が設置した配管と住宅について、配管を撤去する費用がかかること、配管は住宅と一緒で価値を持ち、取り外された配管の経済的価値が低いことを考慮すると、配管は住宅に付合し配管の所有者は住宅の所有者となる。民法242条の但書きの適用もない。)

2026/08/28 更新

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事案

LPガスの事業者は、新築の住宅に無償で配管等を設置し、10年以内にガス供給契約が途中解除された場合には、設置代金から経過年数を控除した金額の支払いを求める契約をしていた。

住宅の購入者がLPガスの契約を解除して別のガス会社とのLPガスの契約をした。

LPガスの事業者は、住宅購入者に配管の購入を求め(主位的請求)、もしくは、配管を返せ(予備的請求)、と請求した。

上記のLPガスの事業者の主張の前提としては、配管設備の所有者がのLPガスの事業者であることが前提となる。そこで、配管は住宅に付合し配管の所有者は住宅の所有者となるか、問題となった。

付合(民法242条)の但し書き

(1)民法242条の但書は、「権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。」と規定している。
(2)民法242条の但書の「権限」の例としては以下があげられる。

 地上権・土地の賃借権 他人の土地を借りて、そこに樹木を植えたり物置を設置したりする場合

 建物の賃借権     家主の承諾を得て、増改築して、その建物が独立性を有する場合

(3)権原に基づいて取り付けたとしても、不動産と一体化してしまい、経済的にみて、取り外しが合理的でない場合には、但書が適用されず、不動産所有者がその物の所有権を取得する。

民法242条 不動産の付合
 不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。

最判令和7年12月23日判例タイムズ1546号76頁

LPガスの事業者が設置した配管と住宅について、配管を撤去する費用がかかること、配管は住宅と一緒で価値を持ち、取り外された配管の経済的価値が低いことを考慮すると、配管は住宅に付合し配管の所有者は住宅の所有者となる。民法242条の但書きの適用もない。

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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