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生前贈与の加算期間「3年から7年への延長(2024年改正)」の経過措置

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、遺産分割・遺留分侵害額請求・相続放棄・不動産登記義務化等の相続実務経験に基づき、最新の民法および裁判所実務に沿ってわかりやすく解説しています。

生前贈与の加算期間延長とは?2024年改正のポイント

Q 生前贈与の加算期間(持ち戻し期間)は2024年の法改正でどう変わり、いつから完全な7年になるのですか?
A 【法改正の要点と経過措置】従来の相続開始前3年間から段階的に7年間へと延長され、2024年1月1日以後の贈与から適用が始まり、完全な7年となるのは2031年以降です。また、延長された4年間(4年目から7年目)に行われた贈与については、総額100万円までの控除が認められます。
【注意点と専門家活用のメリット】いつの贈与が持ち戻しの対象になるか正確なスケジュールを把握しておかないと、予期せぬ相続税の課税トラブルにつながる恐れがあります。複雑な経過措置や自身の状況における正確な税額計算については、相続問題に精通した弁護士や税理士などの専門家に早めにご相談ください。

日本の相続税および贈与税の制度において、2024年(令和6年)1月1日から大きな法改正が施行されました。それが、生前贈与された財産を相続財産に加算(持ち戻し)する期間の延長です。

これまで、亡くなる前3年間に行われた生前贈与は相続財産に足し戻されて課税対象となっていましたが、これが段階的に7年間へと延長されることになりました。背景には、生前贈与を利用した節税対策の適正化を図る狙いがあります。

この改正は、これから相続や生前贈与を考えている方にとって非常に重要な変更点です。いつの贈与が対象になるのか、経過措置や税額控除のルールを正しく理解しておく必要があります。

持ち戻し期間は何年になる?段階的延長の仕組み

2024年1月1日以降、生前贈与の加算期間は一気に7年に延びるわけではなく、段階的に延長されます。税制改正の経過措置として、以下のスケジュールで期間が長くなっていきます。

  • 2024年1月1日以前の贈与:3年
  • 2024年中(2024年1月1日〜12月31日)の贈与:3年+α(正確には3年ですが、2024年1月以降の期間が対象)
  • 2027年以降:段階的に4年、5年と延び、最終的に2031年以降に亡くなった場合の相続では完全な7年間となります。

具体的にいつの贈与が対象になるのかは、相続が発生した日(被相続人が亡くなった日)を基準にして逆算して決定されます。ご自身の状況がどの段階に当てはまるのか、正確なカレンダーの確認が欠かせません。

延長された4年間は救済措置あり!100万円の控除とは

期間が3年から7年へと一気に延長されることで、相続人側の税負担が急激に重くなることを防ぐため、今回の改正では経過措置(緩和措置)が設けられています。

それが、延長された4年間(相続開始前4年目から7年目までの期間)に行われた生前贈与については、受贈者ごとに総額100万円までを相続財産へ加算しない(控除できる)というルールです。

この100万円の控除には、以下の特徴があります。

  • 基礎控除(年間110万円)とは別枠で適用される
  • 4年〜7年の期間内に行われた贈与の合計額から最大100万円をマイナスできる
  • 申告時の特別な手続きは不要(相続税の計算時に自動的に反映される)

例えば、亡くなる5年前に200万円の生前贈与を受けていた場合、従来であれば全額が相続税の課税対象となっていましたが、改正後の経過措置により100万円を差し引いた100万円のみが加算対象となります。

暦年課税と相続時精算課税の併用時の注意点

2024年の税制改正では、生前贈与の加算期間の延長と同時に、相続時精算課税制度の利便性向上も図られました。

相続時精算課税制度を選択した場合でも、年間110万円の基礎控除枠が新設され、この110万円以下の贈与については申告不要かつ相続財産への持ち戻しも不要となりました。しかし、この制度を利用して贈与された財産についても、通常の暦年課税と同様に持ち戻しやルールの適用関係を確認する必要があります。

特に、不動産の生前贈与を行っている場合、2024年の相続登記の義務化や、2026年4月にスタートする住所変更登記の義務化、さらには所有不動産記録証明制度などの法整備とも密接に関わってきます。不動産を含む高額な資産の移転を検討する際は、単なる税金対策だけでなく、登記手続きを含めた総合的な判断が求められます。

まとめ:早めの専門家相談が安心への近道

生前贈与の加算期間が3年から7年へ延長されたことにより、相続対策のスケジュールや手法は大きく見直しを迫られています。

「いつ贈与した財産が対象になるのか」「自分たちのケースではどれくらいの控除が受けられるのか」といった疑問や不安は、ご家庭の資産状況によって異なります。自己判断で進めてしまうと、思わぬ相続税の追徴課税が発生するリスクもあります。

正確な税額計算や、最新の法令に則った円滑な相続対策を進めるためにも、相続に強い税理士や弁護士などの専門家へ早めに相談することをおすすめします。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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