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遺産分割調停における「電話会議・WEB調停(Teams利用)」のやり方

【この記事の監修者】

井上 正人 弁護士(大阪弁護士会所属 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表)

遺産分割調停の話し合いを進めたいものの、「遠方に住んでいて裁判所に行けない」「仕事や育児が忙しくて時間が取れない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

家庭裁判所での遺産分割調停は、原則として当事者が裁判所に出頭して行われますが、一定の条件を満たし手続きを行うことで、裁判所に行かずに自宅や弁護士事務所から参加できる方法があります。それが「電話会議」「WEB会議(Teams利用)」です。

ここでは、遠方の家裁に行かずにWEBや電話で調停に参加するための具体的な手順やメリットについて、わかりやすく解説します。

遺産分割調停のWEB会議・電話会議とは?

Q 遺産分割調停は、裁判所に行かずに自宅や弁護士事務所から参加できますか?
A はい、裁判所の許可を得ることで、電話会議やMicrosoft Teams等を利用したWEB会議システムを使って参加することが可能です。特に遠方に居住している場合や、代理人弁護士を選任している場合に利用が認められやすくなります。

遺産分割調停の場では、お互いの感情的対立が激しくなることも多く、当事者同士が直接顔を合わせずに話し合える配慮として、遠隔システムが導入されています。

従来の「電話会議システム」に加え、近年では「Microsoft Teams」を利用したWEB会議の運用が全国の家庭裁判所で広がっています。これにより、音声だけでなく表情や資料を確認しながら調停を進めることができるようになりました。

WEB会議や電話会議が利用できるケース

誰もが無条件にWEB会議や電話会議を利用できるわけではありません。一般的に、以下のような正当な理由や事情がある場合に、裁判所の許可が下りやすくなります。

  • 遠方に居住している場合:裁判所までの移動に時間的・経済的な大きな負担がかかる場合。
  • 健康上の理由:病気や高齢、怪我などの理由で長距離の移動や外出が困難な場合。
  • 就労・育児・介護上の理由:仕事や日常的な介護・育児を離れることが極めて難しい場合。
  • 当事者間の事情:DVやモラハラ、激しい対立があり、同じ空間にいることに恐怖や強い心理的負担を感じる場合。

弁護士事務所からWEB会議(Teams)で参加する手順

裁判所に出頭せず、依頼している弁護士の事務所からTeamsを使って調停に参加する場合、おおむね以下のような流れで手続きが進みます。

1. 弁護士への相談と申出

まずは遺産分割調停を依頼している、あるいは依頼予定の弁護士に対し、遠方のため裁判所に出頭することが難しい旨を伝えます。弁護士から裁判所に対し、WEB会議(Teams利用)または電話会議での期日進行を上申(依頼)してもらいます。

2. 裁判所の許可と事前準備

裁判所が相当と認めれば、その期日についてWEB会議等の利用が許可されます。 Teamsを利用する場合、裁判所から指定された接続情報(会議リンクやIDなど)が、代理人弁護士を通じて共有されます。

3. 当日の参加方法

調停の期日当日は、ご自身のスマートフォンやパソコンから参加するか、あるいは弁護士事務所に赴き、事務所内の端末からTeams画面に接続して参加します。 弁護士事務所から参加する最大のメリットは、通信環境のトラブルを防げるだけでなく、調停の合間や終了直後に弁護士と密に相談や作戦会議ができる点にあります。


WEB会議・電話会議を利用するメリットと注意点

裁判所に出向かないリモートでの調停には、多くのメリットがある一方で、いくつか注意すべきポイントもあります。

主なメリット

  • 交通費や移動時間の削減:遠方の家庭裁判所まで出向くための新幹線代や飛行機代、宿泊費、そして丸一日がかりの移動時間を大幅に節約できます。
  • 心理的負担の軽減:自宅や慣れた弁護士事務所から参加できるため、裁判所という独特の緊張感ある空間に行くストレスを和らげることができます。
  • 仕事や生活への影響を最小限に:スケジュール調整がつけやすくなり、日常生活への負担を抑えながら遺産分割協議に参加可能です。

注意すべきポイント

  • 通信環境の確保:電波状況が悪い場所や、途中で通信が途切れるおそれがある環境からの参加は認められません。安定したインターネット環境が必要です。
  • 秘密保持とプライバシー:調停は非公開の法的手続きです。周囲に人がいない、静かでプライバシーが保たれる個室から参加しなければなりません。
  • あくまで裁判所の「許可制」:当事者が希望しても、事件の性質や裁判官・調停委員の判断によっては「今回は出頭してください」と判断される場合もあります。

まとめ:遠方の相続問題は弁護士への相談がスムーズ

遺産分割調停のために遠方の家庭裁判所へ何度も足を運ぶことは、肉体的にも精神的にも大きな負担となります。近年普及しているTeamsなどのWEB会議や電話会議の仕組みを上手に活用すれば、負担を大きく軽減しながら適切な主張を行うことができます。

特に、弁護士に代理人を依頼していれば、WEB会議の設定や裁判所との調整、当日における事務所からのスムーズな接続までを一貫してサポートしてもらうことが可能です。

遠方の相続人同士で話がまとまらない場合や、仕事や距離の壁で調停への対応に悩んでいる場合は、まずは相続問題に強い弁護士に相談し、リモート参加の手続きについて確認してみることをおすすめします。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人 (いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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