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2026年4月スタート!
「不動産の住所等変更登記の義務化」と過去の遡り対象

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、遺産分割・遺留分侵害額請求・相続放棄・不動産登記義務化等の相続実務経験に基づき、最新の民法および裁判所実務に沿ってわかりやすく解説しています。

不動産を所有している方にとって、登記に関する法改正は非常に重要な関心事です。2024年4月に相続登記が義務化されたことは広く知られていますが、実はさらなる重要な法改正が控えています。それが、2026年4月にスタートする「不動産の住所等変更登記の義務化」です。

本記事では、新しく始まる変更登記のルールや、過去の変更分が遡りの対象となる点について、専門的な視点からわかりやすく解説します。

2026年4月から何が変わるのか?住所変更登記の義務化

Q 2026年4月にスタートする不動産の住所等変更登記の義務化とはどのような制度ですか?過去の引越しや改姓も遡って対象になりますか?
A 【変更登記の義務化と期限】住所や氏名が変わった日から2年以内に変更登記を申請することが義務付けられ、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料が科されます。また、2026年4月以前に変更があった場合でも遡って対象となり、2028年4月までに手続きを行う必要があります。
【早めの対応と専門家への相談】うっかり忘れによるペナルティを防ぐためにも、引っ越しや結婚などで登記簿の情報と現在の情報にズレがある場合は、放置せずに速やかに手続きを行うことが重要です。複雑な手続きや過去の遡り対象に不安がある場合は、不動産登記に精通した弁護士などの専門家に早めにご相談ください。

これまで、不動産の所有者が引っ越しをして住所が変わったり、結婚などで氏名が変わったりしても、住所変更の登記は長年にわたり任意とされていました。そのため、実家を離れたまま放置され、登記簿上の住所が古いままになっているケースが多々見受けられました。

しかし、所有者不明土地問題の深刻化を背景に、法律が改正されました。2026年4月からは、住所や氏名の変更があった場合、原則として変更があった日から2年以内に登記申請を行わることが義務付けられます。

登記を怠った場合のペナルティ

新制度では、義務化された期限内に正当な理由なく変更登記を申請しなかった場合、5万円以下の過料が科される仕組みとなっています。

単なる「うっかり忘れ」であってもペナルティの対象となる可能性があるため、住所や氏名が変わった際は、放置せずに速やかに手続きを行うことが求められます。

過去の住所変更も対象に!2028年までの遡り対応義務

今回の法改正で特に注意しなければならないのが、「2026年4月以前に生じた住所・氏名の変更」も義務化の対象になるという点です。

「法律が施行される前(2026年3月以前)に引っ越していたから関係ない」と考えるのは大きな誤りです。過去に変更があった場合でも、以下のルールに従って登記を行う必要があります。

  • 2026年4月1日より前に引っ越し等で住所が変わっていた場合:施行日から2年間(2028年3月31日まで)が登記の期限となります。
  • 2026年4月1日以降に引っ越し等で住所が変わった場合:変更があった日から2年間が期限となります。

つまり、過去に何回か転居しており、現在の登記簿上の住所と現在の住民票上の住所が異なっている方は、2028年3月末までにすべての変更をつなぐ登記(またはまとめての変更登記)を完了させなければなりません。

なぜ過去の分まで遡って義務化されるのか?

国が過去の分まで遡って住所変更登記を義務化する理由は、不動産の所有者を迅速かつ正確に把握するためです。

所有者がどこにいるかわからない「行方不明状態」を解消しなければ、将来の相続や公共事業、災害復興の際に大きな支障をきたします。2026年4月の新制度開始を前に、全国の不動産所有者が自身の登記情報を確認する必要性が高まっています。

住所変更登記をスムーズに進めるためのポイント

実際に住所変更登記を行うにあたっては、いくつか準備すべき書類や確認事項があります。直前になって慌てないよう、以下のポイントを押さえておきましょう。

必要な書類の確認

住所変更登記の主な必要書類は以下の通りです。

  • 登記申請書
  • 住民票の写し(または戸籍の附票):前住所から現住所までの移転の経緯が証明できるものが必要です。
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)

何度も転居を繰り返している場合、通常の住民票では住所の繋がりが証明できないことがあります。その場合は、本籍地で取得できる「戸籍の附票」を利用することで、過去の住所変更の履歴を証明することが可能です。

連れ戻しができない場合の注意点

住民票や戸籍の附票の保存期間(原則として消除後5年)が経過しており、行政証明書では住所の繋がりを証明できないケースもあります。このような場合は、「上申書」や他の補足資料(不在住証明書など)を提出して証明する特殊な手続きが必要となるため、専門知識が求められます。

自己判断で行うと手続きが難航することがあるため、不安な場合は早めに司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

まとめ:2026年の法改正に向けて今からできること

2026年4月にスタートする「不動産の住所等変更登記の義務化」は、すべての不動産所有者に関わる重要な法改正です。

2年以内の申請義務や、2028年までの過去分遡り対応というルールを知らずに放置していると、予期せぬ過料が科されるリスクがあります。

まずは、現在ご自身が所有している不動産の登記簿謄本を確認し、現在の住所・氏名と一致しているかチェックしてみましょう。もし変更が生じている場合は、余裕を持って手続きを進めることが大切です。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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