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故人が「スマホ決済の売上金(メルカリ・ヤフオク等)」を残していた時

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、遺産分割・遺留分侵害額請求・相続放棄・不動産登記義務化等の相続実務経験に基づき、最新の民法および裁判所実務に沿ってわかりやすく解説しています。

故人が遺したスマホ決済の売上金はどうなる?相続手続きと注意点

Q 故人がメルカリやヤフオクなどのフリマアプリに残した売上金やスマホ決済の残高は相続の対象になりますか?
A 【法律上の位置づけと相続の対象】売上金やチャージ残高は金銭的価値を持つデジタル遺産として、一般的な預貯金と同様に遺産分割協議の対象となる正当な相続財産です。ただし、運営会社が自動的に死亡を察知して口座へ振り込むことはなく、アカウントは一代限りの一身専属とされることが多いため放置は厳禁です。
【具体的な手続きと注意点】相続人は戸籍謄本などの必要書類を揃えて運営会社へ個別に払い戻し申請を行う必要があります。アカウントが失効して売上金が没収されるリスクを防ぐためにも、利用規約を確認し、弁護士等の専門家に相談しながら速やかに口座振込の手続きを進めましょう。

近年、メルカリやヤフオク、各種スマホ決済などのアカウント内に残された「売上金」や「残高」を巡るトラブルが急増しています。これらは目に見えないデジタル遺産ですが、法律上は遺産分割協議の対象となる大切な財産です。

生前に不用品を売却して得た売上金や、キャッシュレス決済に残されたチャージ残高を放置してしまうと、思わぬ不利益を被る可能性があります。本記事では、スマホ決済やフリマアプリの売上金に関する相続手続きと、スムーズに処理するための注意点を分かりやすく解説します。

デジタル遺産としての「売上金」の法的位置づけ

故人がスマートフォン上のサービスに残した売上金は、一般的な預貯金と同様に相続財産に含まれます。

しかし、銀行口座と異なり、運営会社が自動で故人の死亡を察知して相続人に連絡をくれることは基本的にありません。また、多くのサービスの利用規約では「アカウントの権利は一代限りであり、他者への譲渡や相続はできない(=故人の死亡によりアカウントは失効する)」と定めているケースが少なくありません。

そのため、アカウントが消滅する前に、規約の隙間を縫って適正な手順で売上金の払い戻し(口座振込)請求を行う必要があります。

売上金を引き出すための具体的なステップ

故人のスマホ決済やフリマアプリの売上金を回収するためには、一般的に以下の手順を踏むことになります。

1. アカウントの有無と残高の確認

まずは故人のスマートフォンやパソコンを確認し、どのサービスを利用していたのか、いくらの売上金や残高が残っているかを特定します。

  • メルカリ、ヤフオク、ラクマなどのフリマ・オークションアプリ
  • PayPay、楽天ペイ、d払いなどのスマホ決済サービス
  • Amazonギフト券や各種ポイント

パスワードが不明な場合でも、生前のメール履歴やクレジットカードの引き落とし明細から利用状況を推測できることがあります。

2. 運営会社のサポート窓口への問い合わせ

利用していたサービスのカスタマーサポートに対し、「名義人が死亡したこと」「相続人として売上金の引き出しを希望すること」を連絡します。

この際、運営会社から以下のような書類の提出を求められるのが一般的です。

  • 故人の死亡が確認できる戸籍謄本(除籍謄本)
  • 請求者が相続人であることを証明する戸籍謄本一式
  • 相続人全員の印鑑登録証明書および実印を押印した同意書
  • 請求者(代表相続人)の本人確認書類

3. 指定口座への振込手続き

運営会社による書類の審査が完了すると、指定した相続人の銀行口座へ売上金が振り込まれます。この際、振込手数料が差し引かれる場合がほとんどです。

手続きを進める上での重要な注意点

スマホ決済やフリマアプリの売上金を引き出す際には、いくつかの特有のハードルが存在します。

アカウントの勝手な操作は規約違反になるリスクがある

故人の暗証番号を知っているからといって、相続人が勝手に故人のスマホを操作して自身の口座へ売上金を移転する行為は避けるべきです。各サービスの利用規約違反とみなされるだけでなく、他の相続人との間で「勝手に遺産を持ち逃げした」という遺産分割トラブルに発展する恐れがあります。

相続税の申告漏れに注意する

「数百円だから」「デジタル上のものだから」と申告から除外しがちですが、これらも立派な相続財産です。複数のサービスに少額ずつ残高が分散している場合もありますので、財産調査の際は見落とさないように注意しましょう。

また、不動産の相続においては、2024年4月から相続登記の申請が義務化されており、さらに2026年4月からは住所変更登記の義務化も控えています。デジタル遺産だけでなく、不動産など他の相続財産の手続きも合わせて全体を整理することが重要です。

まとめ:デジタル遺産の調査と手続きは専門家への相談も視野に

故人が残したスマホ決済の売上金やフリマアプリの残高は、放置するとそのまま消滅してしまうリスクがあるため、早めの対応が肝心です。

  • 売上金も大切な相続財産の一つである
  • 勝手なアカウント操作は避け、運営会社の正式な窓口を通じて手続きを行う
  • 戸籍謄本など必要書類の収集には時間がかかる場合がある

もし、アカウントの特定が難しい場合や、他の相続人との遺産分割協議で揉める懸念がある場合は、相続問題に強い弁護士や司法書士などの専門家に早めに相談することをおすすめします。適正な手順で、すべての財産をもれなく整理・承継しましょう。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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