判例(貸金業者が、時効を援用された債権について、民事訴訟で請求することは、不法行為にあたる。)
2026/10/31 更新
このページを印刷大阪地判令和7年11月25日 判例タイムズ1548号228頁
- 判決
- 貸金業者が、時効を援用された債権について、民事訴訟で請求することは、不法行為にあたる。
参考
判例タイムズ1548号228頁
解説
1 訴えの提起とその違法
原告の請求が正当かどうかは、訴訟提起後に、裁判所が判断することです。原告の請求が認められなかったからといって、原告の請求を全て違法だということはできません。
したがって、「原告の訴訟提起そのものが違法である。したがって、訴訟提起したことが不法行為の違法であるとして損害賠償義務を負う」と認定される場合は、訴訟提起そのものが著しく相当性を欠く場合に限られます。
参考
この点について、最高裁判例 (最三小判 昭63.1.26民集42巻1号1頁) は、「訴えの提起が相手方に対する違法な行為といえるのは、当該訴訟において提訴者の主張した権利又は法律関係が事実的、法律的根拠を欠くものである上、提訴者が、そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知り得たのにあえて訴えを提起したなど、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られる。」と判断しています。
2 裁判を受ける権利と、その違法
(1)本件で、金業者が、時効を援用された債権について、民事訴訟で請求することは、不法行為にあたる、とされました。起ではなく、被告側の応訴が違法になるか問題となりました。
(2)時効によって消滅している債権について訴訟提起することは、著しく相当性を欠くとされました。




