判例(企業間で締結された契約書については、裁判所は契約書の解釈するについて契約書の文言どおりの解釈を前提とすべきである。裁判所が契約書の解釈に関与するのは、契約書の文言が不明確な場合や、契約書の内容が公序良俗に反する等の事情があるときに限られる。)

2026/10/31 更新

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企業間の契約の解釈の前提

(1)企業間の取引では、金額が大きくなれば双方がリスクを検討して契約書に落とし込むのが通常である。裁判所が契約書を解釈するにあたっては契約書の文言どおりの解釈を前提とすべきである。なぜなら、裁判所が積極的に関与すれば、当事者に予想外のリスクを与えることになるからである。
(2)したがって、裁判所が契約書の解釈に関与するのは、契約書の文言が不明確な場合や、契約書の内容が公序良俗に反する等の事情があるときに限られる。(判例タイムズ1548号234頁)

令和7年8月22日 判例タイムズ1548号233頁

1 判例

(1)A社とB社の契約書は、FIDICが発行する標準約款をベースにして、発電所新設工事請負契約書が作られた。
(2)遅延損害金の終期については、「受給開始」と書かれていたが、それ以上は契約書に記載されていなかった。設備の運転開始では再エネの調達期間の開始日とならないことを考慮して、裁判所は、「本発電設備が再エネ特別措置法に基づき電気事業者への売電を開始した日」が「受給開始日」にあたるとした。
(3)契約書上、不可抗力で免責される損害について、遅延損害金は明記されていなかった。裁判所は、契約書に明記されていない以上は、遅延損害金を免責の対象として加えることができないとした。

解説

(1)企業間で締結された契約書については、裁判所は契約書の解釈するについて契約書の文言どおりの解釈を前提とすべきである。裁判所が契約書の解釈に関与するのは、契約書の文言が不明確な場合や、契約書の内容が公序良俗に反する等の事情があるときに限られる。
(2)上記の原則にしたがって、契約書の文言解釈がされた判例でです。加えて、契約期間中に40%の収益分配の合意がされおり、投下資本の回収についても協議されていることから、黙示の合意(契約書に記載がないが、当事者が契約書に記載のない合意)は認められないとされた。

 

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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