PLG(プロダクトレッドグロース)とは何か。
2024/04/13 更新
PLG(プロダクトレッドグロース)
(1)Product Led Growt(プロダクトレッドグロース)は、一定の量・一定の機能について無料で使えるようにしておき、これを超えた機能・量を利用したいと考える際に、初めて料金を取る販売戦略です。
(2)無料で製品を配ることで、一気にユーザーを獲得することができます。
(3)有料プランにアップグレードする必要が無ければ、課金できません。逆に、ユーザーにとって価値があると思う機能を無料にしなければユーザーを獲得できません。バランスをとった設計が必要となります。
市場の変化
1 広告コストが増えた
クラウドソフトの開発について参入障壁が下がった結果として、クラウドソフト同士の競争が激化し、広告コストが増えました。
2 顧客が自分で情報を集めるようになりました。
企業の説明や営業担当者の話を鵜吞みにすることなく、自ら情報を収集する顧客が増えました。顧客は購入する前に、商品を無料で利用することを求めるようになりました。
3 結論
このような市場の変化を受けて、PLG(プロダクトレッドグロース)が有力な選択肢となってきました。
PLG(プロダクトレッドグロース)が上手く機能する条件
PLG(プロダクトレッドグロース)が上手く機能する条件は、以下のとおりです。
1 製品がシンプルであること
製品の操作が直感的であり、特別な訓練がなくても利用できることが必要です。
製品を利用すれば、その製品の価値が理解できることが必要です。
2 市場が大きいこと
フリープランだけで満足するユーザーも出てきます。利用ユーザーの一部だけが有料だとしても、利益を出せるほどの市場規模が大きいこと(利用ユーザーが多数いること)が必要です。
3 製品の差別化
他の協業他社と違って、質の高いサービスを低コストで利用できること(他社製品との違いが理解しやすいこと)が必要です。
4 競争が激しい市場であること
競争が激しい市場(レッドオーシャン)であれば、顧客はその種類の製品について知識を持っています。顧客は、特別な訓練がなくても製品を使いこなすことが期待できます。もっとも、新しい市場(ブルーオッシャン)であっても、 製品の操作が直感的であり、特別な訓練がなくても利用できる場合には、PLG(プロダクトレッドグロース)が上手く機能します。
5 現場判断で導入できる製品であること
企業全体のシステムなど、製品の導入にトップの判断が必要な商品については、利用者の意見が反映されにい傾向にあります。この場合PLG(プロダクトレッドグロース)は上手く機能しません。
6 高機能タイプの製品ではないこと
高機能タイプの製品は利用ユーザーが限られしまいます。一般用タイプの製品の方が、PLG(プロダクトレッドグロース)と相性がよい、と言われます。
PLG(プロダクトレッドグロース)のメリット
1 素早いビジネス展開
製品そのものの存在によってユーザーを獲得させるので、スピーディーな顧客拡大、世界展開も容易になります。
2 従業員一人当たりの売り上げアップ
営業経費を削減できるので、従業員一人当たりの売り上げをアップできます。
3 製品第一主義
営業が商品を売るスキームであれば、どうしても営業部門の都合で動かざるをえなくなります。PLG(プロダクトレッドグロース)は、売り上げを上げるには、製品をより良く改善するしかなく、製品の改善に集中できます。
参考
ウェス・ブッシュ「PLG プロダクト・レッド・グロース「セールスがプロダクトを売る時代」から「プロダクトでプロダクトを売る時代」へ」1頁~94頁