新人社員に仕事を依頼するときの注意点
2024/09/01 更新
新人社員にはプロとして分業をお願いする
(1)新人であっても、ベテラン社員と同じクオリティーが求められます。しかし、当然、できる仕事に限りがあります。
(2)上司は自分がすべてをやっていては仕事が回りません。
(3)上司は仕事全体の管理を行い、その仕事の一部を新人にお願いする必要があります。
(4)上司は「できる仕事」「難しい仕事」をわけて、新人社員に「できる仕事」をお願いする必要があります。
参考
大石哲之「コンサル1年目が学ぶこと」272頁以下
具体的に指示する
(1)新人に限らず、他人に指示する場合には、以下のことを具体的に伝えます。
仕事の目的
仕事の内容・クオリティー
期限(優先度)
(2)仕事の内容・クオリティーは伝えることが難しく注意が必要です。
かつてやったことがある仕事であれば伝わりますが、それ以外では工夫が必要です。
似た事例の資料を渡す。短期間で、案を提出させてチェックする等の工夫が必要です。
大石哲之「コンサル1年目が学ぶこと」72頁以下
典型的な業務・非典型的な業務
(1)典型的な業務(上司が精通している仕事)を新人に依頼します。なぜなら、その方が上司がフォローしやすいからです。
(2)非典型的な業務は上司(もしくは、ベテラン社員)が7割の業務を行って仕事全体が見えるようになってから、3割を新人社員にお願いします。
(3)非典型的な業務について、調査が必要な場合、その調査部分を新人社員にお願いしてもよいでしょう。
参考
アンドリュー・S・グローブ 著、 小林薫 訳 「HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメント」 110頁以下
作業手順を質問する(確認する)
(1)新人社員さんに指示を出した後に、新人社員に、「今後の作業手順を確認したので、何をするのか、順番に説明してもらえないですか。」と質問しましょう。
(2)もともと、人は価値観や常識は一致しません。ベテラン社員と新人社員では、その差が大きくて当然です。「伝わっている。」と信じるのではなく、「伝わっていますか。」と確認することを大切にしましょう。
(3)特に、仕事を分解をしてみると、簡単な作業の塊であるような業務の場合、指示をした方は「簡単なこと」だと思い、指示された側は、「何をしてよいのか。」分からないということになります。
大石哲之「コンサル1年目が学ぶこと」 84頁
最初にするべき作業を質問する(確認する)
(1)新人社員は、自分から質問しにくいものです。ある作業が終わった時点で、その報告と共に次の作業について疑問点を聞くのは容易です。逆に、指示されたばかりのときに、最初にするべき作業を聞くのは、ハードルが高いです。
(2)新人社員が最初の作業が分かっているか、を確認することは大切です。
(3)新人社員さんに指示を出した後に、新人社員に、「今後の作業手順を確認したいと思います。まず、最初にする作業を説明してもらえないですか。」と質問するのは大切です。
新人社員が不安を覚える場合には、さらに仕事を分割する。
(1)新人社員に仕事を依頼したが、新人社員は自信がない様子でした。
(2)その場合には、「本日中に、1時間作業してほしい。その内容を見せてほしい。」「本日中にどういう風に作業をするのか30分考えて報告してほしい。」等の仕事をさらに分割してチェックしましょう。
(3)時間だけが過ぎるのは避けるべきであす。チェックまでの期間は短い方がよく、次の日には、新人社員と確認の時間を設けた方がよいでしょう。