判例(犯罪利用預金口座等として取引停止措置が講じられた預金口座に対して、架空の貸付債権に基づく公正証書による強制執行をしたことが、その口座名義人に対し損害賠償請求をしていた詐欺の被害者に対する不法行為にあたる。)
2026/09/26 更新
このページを印刷犯罪利用預金口座等としての取引停止措置
振り込め詐欺救済法により、警察や弁護士は銀行に対し、その口座が犯罪に利用されているとして、その口座の取引の停止を申し立てることができます。
同申し立てがあれば、金融機関は当該口座を引き出せない措置をとります。
犯罪利用預金口座等としての取引停止措置がされていたとしても、同口座に対する強制執行をする効力はありません。
凍結口座への不当な強制執行
(1)本来、口座が凍結されると口座名義人は、自分の預金から現金を引き出すことができません。
(2)しかし、架空の貸付債権に基づく公正証書を作成し、その虚偽の公正証書によって強制執行をすることで、凍結されている口座から現金を騙しとる手口がありました。
東京地判令和7年12月4日 判例タイムズ1547号
(1)犯罪利用預金口座等として取引停止措置が講じられた預金口座に対して、架空の貸付債権に基づく公正証書による強制執行をすれば、現金を騙しとることができます。
(2)この場合には、その口座名義人に対し損害賠償請求をしていた詐欺の被害者は、被害救済を受けれなくなります。
(3)したがって、犯罪利用預金口座等として取引停止措置が講じられた預金口座に対して、架空の貸付債権に基づく公正証書による強制執行をしたことが、その口座名義人に対し損害賠償請求をしていた詐欺の被害者に対する不法行為にあたるとされました。




