Q 事業承継の手順を教えて下さい。その2
2026/07/19 更新
このページを印刷事業承継
(1)創業者は、以下の過程で事業承継を検討することになります。
(2)創業者にとっては、自分の会社を他人に引き継がせることは死を意味するに等しい意味を持ち、アイデンティティの一部を失うことになります。
事業承継の時期
1 考えるべき時期
イノベーションの意欲を失ったとき、課題への解決に古い解決策しか思い浮かばないとき、チームでの不満が蓄積しているとき、経営についてワクワク感を失ったときが、事業承継を考えるべき時期となります。
2 ベストタイミング
創業者が変化の必要性を感じながらも、積極的に承継問題に関与できるエネルギーを持っているときが最善の時期となります。
3 遅すぎるとき
創業者が健康問題を抱えて、退任するしかないと考える時期は遅すぎるかもしれません。
事業承継計画の推進
1 継続的な話し合い
(1)事業承継については、継続的な話し合いをするべきです。
(2)本来的には、新しいCEOが就任したその瞬間から、次のCEOを選ぶ方法等は議題として継続的に議論されるべきです。
2 話し合いの時期を失う
(1)創業者が多数の株主比率を持っていると、退任の話し合いをしにくい雰囲気となるのも事実です。
(2)創業者が退任を決断したときや、危機が訪れたときに、事業承継を話し合っては遅くなります。
創業者の新しい役割
1 事業承継時の総合者の役割
(1)退任後の創業者の役職が明確でなければ、問題が生じます。
退任後も、創業者があれこれ口出ししては、新CEOは何もできなくなります。
(2)バトンタッチの段階で、創業者の関与の程度や内容を議論すべきです。
2 退任後の総合者の役職
退任後の創業者の役割はいろいろなものがあります。
(1)相談役
経営会議に参加せずに、新CEOの相談役として活動します。
経営会議に参加する場合には、新CEOと事前に打ち合わせをして、新CEOの意見に賛同するという意見を表明して、新CEOの権威を守ります。
(2)スペシャリスト
共同経営者に近いボジションなど、限定した分野で、その知識と経験を活かした仕事を行います。
合意された分野以外では、口出しをしないことが原則となります。
(3)完全なる退任、肩書だけの役職
完全たる退任や、式典だけに参加するなどの会長職等の関与がありえます。
新CEOが必要と感じた場合に、その範囲に限り活躍します。
退任した創業者と、新CEOの心構え
1 退任した創業者
(1)退任した創業者は、新CEOの意見と違うような発言することが会社全体にとってマイナスであることまずは心得るべきです。
(2)新CEOは、新しい体制づくりで苦労していることを想像し、新CEOの意見に賛同するという意見を表明して、新CEOの権威を守るべきです。
(3)新CEOは焦って結果を出そうとしたり、逆に、選任してくれた役員に遠慮して慎重になりすぎたりなど、バランス(慎重さと大胆さのバランス)に苦心しているはずです。退任した創業者は、内容ではなく、心構えのアドバイス等を送りましょう。
(4)新CEOが変化を購入してきた場合には、裏切りではなく、若さとエネルギーだと捉えて、最大の理解者として賛同のメッセージを送り、後継者をサポートすることが必要です。
2 新CEO
(1)新CEOは、結果をあせらず、社内のメンバーとの関係作りに時間をかけるべきです。
(2)退任した創業者との関係を強化し、その価値観を学ぶことに注力すべきです。創業者の価値観・考え方は、企業の強みの一つであったはずであり、その理解は企業のかじ取りに役立ちます。
(3)退任したとはいっても、退任した創業者の影響力を軽視してはなりません。創業者との関係が崩れて、創業者が反対意見を述べるようなれば、混乱は避けられません。創業者との関係維持に時間を使う必要があります。
3 退任した創業者と、新CEOの相性
(1)退任した創業者と、新CEOの相性は、新CEOの経営能力以上に、一番重要な要素です。
(2)事業承継は、簡単に上手く行くものではなく、調整のうえのさらなる調整によってなしていくものです。
参考
ハーバード・ビジネス・レビュー2026年8月70頁以下






