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Q 二重譲渡(動産)について教えて下さい。

2026/07/26 更新

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所有権

所有権とは、物を自由に使い、収益を得て、処分する権利のことです。

無権利者の承継人

Aさんが無権利者である場合、Aさんからその動産を譲り受けたBさんは所有権を取得できません。

例外

なお、表見代理、即時取得、取得時効が成立する場合を除きます。

二重譲渡

動産における「二重譲渡」とは何でしょうか。

元所有者AさんがBさんに、そして、元所有者AさんがCさんに動産の所有権を譲渡した場合の関係を二重譲渡といいます。

1 二重譲渡

元所有者AさんがBさんに、そして、元所有者AさんがCさんに動産の所有権を譲渡した場合の関係を二重譲渡といいます。

なお、元所有者AさんがBさんに動産の所有権を移転させた段階で、元所有者Aは無権利者になります。しかし、元所有者AさんがCさんに動産の所有権を譲渡した段階で、元所有者Aは権利を取り戻します。

これを復帰的物権変動といいます。

このように考えて、Bさんが所有者なのか、Cさんが所有者なのかを占有の前後で決める、という考え方になります。

2 対抗要件

二重譲渡の関係にある当事者間において、相手方に所有権を主張するには、①元所有者から所有権を譲り受けたことだけではなく、②引渡し(占有)を受けたことが必要です(民法178条)

二重譲渡の関係にない場合は?

例えば、二重譲渡の関係にない第三者に対し、所有権を主張するには、①元所有者から所有権を譲り受けたことだけで足ります(民法176条)

3 元所有者から所有権を譲り受けたこと

例えば、BとCの訴訟にて、Aが所有者であることに争いがない場合(権利自白)には、Aからの所有権譲渡を主張すれば足ります。

そうでない場合には、Aからの所有権譲渡だけでなく、Aが無権利者であったとしても、即時取得その他の要件を満たし所有権者であったことの立証が必要になります。

民法
176条 物権の設定及び移転
物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。


178条 動産に関する物権の変動の対抗要件
動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。

引渡し(占有)

占有には、①現実の引渡し (民法182条1項)、②簡易の引渡し (民法182条2項)、③ 占有改定 (民法183条)、④ 指図による占有移転 (民法184条)があります。

③ 占有改定 (民法183条)は、売主などが売却後も引き続き物を占有し続ける場合に、売主が今後は、買主のためにそのものを預かっているという意思表示を示す、方法の占有移転です。

例えば、ピアノを購入したが引渡し日までにピアノ屋さんが預かっているような状態を意味します。

占有改定は、外形的な占有の移動はないものの、民法178条の対抗要件たる「引渡し」にはあたるとされています。

もちろん、その他の方法の占有でも、民法178条の対抗要件たる「引渡し」にはあたります。

参考

岡口基一「要件事実マニュアル(第7版)第1巻 総論・民法1」333頁

弁護士 井上正人
 この記事の著者・監修 弁護士 井上 正人(いのうえ まさと) 大阪弁護士会所属(登録番号:43449) /
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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