ベネフィット
2024/04/13 更新
ベネフィット(顧客にとっての価値)
(1)ベネフィットとは、顧客にとっての価値という意味です。
(2)有名な例としては、ドリルを買いに来た顧客が求めているのは、便利なドリルかもしれませんし、穴が空いている板かもしれません。
顧客は、貯金箱を作るためにドリルを買いに来たのであれば、ドリルよりも、お店できれいな穴が空いた板を売ったほうが喜ぶかもしれません。また、「貯金箱を手作りしたい。」というニーズを他のお客様が持っていることを発見できれば、組み立てセットを販売できるかもしれません。
(3)ベネフィットを検討するには、顧客に直接ヒアリングして、そのニーズを理解することや、同様のニーズを持つ顧客がどれだけいるのかを検討することが必要です。
(4)ベネフィットを検討することで、顧客が何を求めているのか、そして、そのニーズを満たすために、どのような商品を開発すべきなのか(商品、価格、販路、広告)に活かすことが必要です。
(5)例えば、飛行機の競合は新幹線ではなく、ビデオ会議かもしれません。顧客が会議に出るために飛行機に乗るのであれば、ビデオ会議システムは競合です。しかし、金額の大きな取引では、ビデオ会議ではなく、直接合う必要があるかもしれません。そうすると、大きな商談のために、飛行機に乗るビジネスマンをターゲットにした商品開発をすることが必要になります。
機能的ベネフィットと、情緒的ベネフィット
(1) ベネフィットは、機能的ベネフィットと、情緒的ベネフィットです。機能的ベネフィットは、商品の機能についてのベネフィットであり、情緒的ベネフィットはその商品を購入した顧客の心理的なベネフィットです。
(2) 時計の機能的ベネフィットは、正確な時間を知ることです。高級時計の情緒的ベネフィットは、スーツに合うから。自分へのご褒美(高級品を買ったという自分の満足)にあるかもしれません。
(3) 機能的ベネフィットなのか、情緒的ベネフィットなのか、を明確に分ける必要はありません。高級時計を買う人をターゲットとするのであれば、その人がどのような理由で買ったが、大切でありその人が選ぶ理由を備えた商品(商品、価格、販路、広告)を開発することが大切です。
顧客目線で考える
(1)自分が、友達との待ち合わせで喫茶店を選んだとします。
(2)大学時代の友人に久しぶりに会うので、話しやすい雰囲気のお店を選んびました。そのときに、静かに話したいのであれば、少し値段が高い方が他にお客がおらず静かに話せます。せっかくなら、美味しいデザートが出るお店を選ぶでそう。
(3)この場合のベネフィットは、美味しいコーヒー、美味しいデザート、静かな雰囲気、少し高い価格帯となります。
参考
佐藤義典「ドリルを売るには穴を売れ」44頁以下