【為替政策】為替レートと固定相場制、変動相場制
2024/12/17 更新
基軸通貨
(1)国際貿易で決済に使われている通貨を基軸通貨と呼びます。
(2)世界の誰もが、その通貨で支払っても良いと信頼されている通貨です。
為替レートの決定
(1)為替レートは、需要と供給で決まります。
(2)円とドルの関係では、「円」のニーズが増えれば、円高になります。
逆に「ドル」のニーズが増えたことで、円安になることもあります。
為替介入
(1)為替レートの操作を目的に、通貨当局が通貨売買を行うことを為替介入といいます。
固定相場性を維持するには、通貨当局が積極的に、為替介入をすることになります。
(2)例えば、為替介入の目的で、日本が保管している1億ドルを民間銀行に売却した場合には、保管している1億ドルが売却し、民間銀行から100億円を受け取ります。
(3)これは、為替政策が、金融政策に影響を与えてしまうことを意味します。つまり、民間銀行が保有する円の残高が増えてしまうからです。そこで、日本政府は、国債を発行して、市場から円を引き上げます。
(4)為替介入を頻繁に行うことは、金融政策への自由度を大きく下げることになります。
参考
藤井英次「コア・テキスト 国際金融論 第3版」 228頁
変動相場制
(1)自国通貨と、外国通貨の相対的な需要関係に応じて、為替レートが自由に変動することを認める為替制度を変動相場制といいます。
(2)変動相場制では、為替介入を行わないのが原則です。しかし、日本は変動相場制を採用していますが、急激かつ、大幅な変動に対しては、その変動を和らげる目的で為替介入をすることもあります。
(3)変動相場制では、為替レートの維持のために為替介入をする必要はなく、金融政策を自由にとれます。
固定相場制
(1)通貨当局が為替レートの変動を許さず、「1ドル100円を維持する」と宣言する制度を固定相場制度もしくはペッグ制度といいます。
(2)固定相場制を採用する場合には、どの外国通貨との為替レートを固定するか問題となります。一般的には、ドルやユーロなどの国際通貨や、時刻と貿易などの経済的関係が強い外国の通貨を選びます。
(4)固定相場制では、通貨当局が積極的に、為替介入を行って、為替レートを安定させます。
(5)固定相場制では、積極的に為替介入をするのにで、金融政策が大幅に制限されます。
参考
永易淳ほか「有斐閣ストゥディア はじめて学ぶ国際金融論」34頁以下