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ビジネス知識

AI(機械学習)の活用と競争優位性

2024/12/31 更新

AI(機械学習)の活用と競争優位性

AIの開発で、競争優位性を保つ方法としては、以下の3つが考えられます。

①自社で特化型のAIを開発する。

②他社が持っていないデータを活用する。

③自社でAI以外の強みを持ち、その強化としてAIを活用する。

①自社でAIを開発する。

(1)自社でAIの開発を行う場合には、グーグル等の汎用型AIの開発を進める大手IT企業と比べて、開発力で勝つことは難しいという問題があります。

(2)最初に特化型のAIの開発に成功して利益をあげたとしても、他社が大手IT企業と提携して開発を進めた場合に、競争開発で勝つのは難しい、と予想されます。

(3)通常の企業戦略では、ニッチ分野を狙って資源を集中させて勝ちを狙います。したがって、AI能力について、画像処理や音声処理等の得意分野を集中させる余地があるのか、そして集中投資することで品質に差が出せるのか問題となります。

②他社が持っていないデータを活用する。

(1)AIは大量のデータを処理することで働きます。

(2)したがって、他社が持っていないデータを持っている場合には、そのデータを持っていることそのものが、競争優位性になりえます。

(3)しかし、データでの優位性で、他社との差別化がいつまで保たれるかは不明確です。

(4) 例えば、保有しているデータ量が違っても、出すべき結果は同じかもしれません。AI(ビックデータ)により出される結論は、集合知での多数派の意見となるために、尖った結論は出せません。

 例えば、最初はデータ量の違いによって精度に差があるとしても、その結果についてはどちらが良い、というものではありません。少ないデータでの結論の方が、意外性があり市場で受け入れられる可能性もあります。

(5)さらに、最初はデータが少なくても、市場でのフィードバックを重ねる結果、AIの精度があがっていきますので、結局、同様の結論を出すことが考えられます。

③AI以外の強みを持ち、その強化としてAIを活用する

(1)AIを活用して競争優位性を保つ方法としては、やはり「自社でAI以外の強みを持つ。」のが無難でしょう。

(2)そもそも、AI(ビックデータ)により出される結論は、集合知での多数派の意見となるために、尖った結論は出せません。

(3)データが同じであれば、どのAIを使っても同様の結果となる可能性があります。

(4)例えば、アマゾンは独自の在庫管理や、配送業務のシステムを持っています。したがって、これらのより円滑な運営にAIを活用するのが賢い選択となります。

参考

 ハーバードビジネスレビュー2024年12月12頁以下

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